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原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島


2007年7月16日『原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島 判決公判』を開廷いたしました。

被爆者の方々が高齢化し生存者数が少なくなっていくにもかかわらず、核廃絶という目標はいつまでたっても達成できない。その理由の一つは、原爆投下が持つ重大な犯罪性がこれまで真剣に議論されたことがあまりにも少ない、その犯罪性に対する認識が核保有国の政治家のみならずその国民の間にもあまりにも希薄であるからではないかということが考えられます。また、原爆投下は空爆による無差別大量虐殺の最も極端な例ですが、空爆による民間人の大量虐殺は、広島・長崎の後も、朝鮮戦争、ベトナム戦争や最近のアフガン、イラク戦争など、戦争が起きるたびに繰り替えし行われている。これも、空爆による無差別大量虐殺が戦争犯罪であるということが、広島・長崎のケースでしっかりと問われなかったこととも関連しているのではないか。そこで、被爆60周年に向けて、もう一度原点にたちもどって、原爆投下の犯罪性を当時の国際法に照らして厳密に検証すべきではないかと私たちは考えました。

その犯罪性を問う方法としては、民衆法廷というやり方をとり、誰が見てもその検証の仕方が国際法的に全く不備のない、文句のつけようのないものにするという方法を私たちは考えました。そのため、3年ほど前に『原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島』の計画を立ち上げました。私たちのこの法廷は、その憲章や起訴状の内容からみても、また判事や検事団の資格の面から見ても誰も文句のつけようのない法的正当性を持っていると確信しています。

いろいろな困難があり、開廷は当初予定した被爆60周年より1年遅れとなりましたが、昨年7月に開廷することができ、本年7月16日には判決公判を終えることができました。その結果、原爆投下の決定、命令の発令、ならびにその実行に加わった15名の政治家、軍人、科学者の被告たち全員の有罪が確定し、米国政府の責任が厳しく問われる判決が下されました。ここにその判決文をお届けする次第です。

私たちはこの「判決文」をこれから多いに活用し、核兵器の「犯罪性」を訴えることで核廃絶運動を強め広げ、ひいては戦争のない平和な社会の構築に向けて少しでも貢献できれば願っています。皆様の御協力と御支援をお願いいたします。

『原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島』実行委員会
2007年7月23日

判決文(PDFファイル)

判決公判 アピール(PDFファイル)





■ヒロシマ平和映画祭実行委員会協賛 広島初公開
■久間発言、ジョセフ発言に抗議し、緊急に上映いたします。
http://www33.ocn.ne.jp/~dotoku/HPFF/
【ドキュメンタリー映画
「The Last Atomic Bomb 最後の原爆」 特別上映】

監督:ロバート・リクター
(ピューリツァー賞を三度受賞のドキュメンタリー映画監督)
共同プロデュース:キャサリン・サリバン(核問題専門家・軍縮教育家)
(2005年・USA・92分・カラー・日本語字幕付き)
http://www.richtervideos.com/TheLastAtomicBomb/
http://www.tvac.or.jp/di/8592.html

生と死の狭間を生き延びてきた被爆者の人生。当民衆法廷の証言者、
下平作江(被爆者、長崎)さん。彼女の思いと責任を背負った日本の
次世代の若者(荊尾遥さんら)が、被爆地長崎から広島を経て核保有
国であり、また核廃絶の鍵を握るアメリカ、イギリス、フランスへと
旅し映画は展開していく。

被爆者を撮影した戦略爆撃調査団のカラー映像を多く使用。
原爆投下が国際法違反であることを示す証拠資料としても重要である。
銃弾に倒れた伊藤一長長崎市長を追悼する。

【原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島 判決公判 開廷】


昨年7月15日-16日に開廷された「原爆投下を裁く国際民衆
法廷・広島」において、米軍による広島、長崎両市への原爆投
下は重大な「戦争犯罪」であり、且つ残虐な「人道に対する罪」
であるという判決が下されました。来る7月16日には、判決
全文が言い渡されます。

辞任した久間前防衛大臣は、原爆投下は仕方がなかったと発
言しましたが、これは彼個人の本音や失言ではなく、日本政府
の採っている核政策の本音です。自らの安全のため、米国が他
国に対して核攻撃することを要請するという核の傘(槍)政策
ですから、広島・長崎への原爆投下を戦争犯罪であると批判で
きないのです。また、米政府の核不拡散問題特使(前国務次官)
が「原爆の使用が終戦をもたらし、連合軍側の数十万人、日本
人の何百万人もの命を救った」と発言しました。
原爆投下=終戦論。それは米国民を60年呪縛している神話です。

原爆の対日投下使用決定は、1944年9月19日のローズヴェルト
米大統領とチャーチル英首相とのあいだでのハイド・パーク協
定によります。1945年4月に大統領職を引き継いだトルーマン
の下、目標検討委員会では、はじめから軍事目標にたいする精
密爆撃ではなく人口の密集した都市地域が目標とされ、軍事目
標主義を逸脱する無差別爆撃が人道にも国際法にも反すること
を充分知っていました。7月17日からのポツダム会談では、
ソ連に対して原爆実験の成功(7月16日)を踏まえて臨みまし
た。言うなれば、原子力エネルギーの驚くべき秘密の発見を祝
して日本の戦争指導者の罪を原爆被害者が償わされたのです。

私たちはこの歴史的なヒロシマ判決を受け、今後、核兵器
廃絶へのひいては戦争廃絶への運動をいかに推進していくべき
かを皆さんと共に考え実践していきたいと思います。

ぜひ、傍聴に結集してください。

■日時
2007年7月16日(月・休日)
午前11時 映画上映(〜0時半)
午後1時 判決公判/シンポジウム 5時 終了
■会場
「メモリアルホール」
(平和公園内、広島平和記念資料館地下)
広島市中区中島町1-2 電話:082-242-7798
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/frame/Virtual_j/tour_j/guide2.html
◆判決文朗読(裁判長)
レノックス・ハインズ教授
(米国、ラトガーズ大学法学部、国際法・刑法、
国際民主法律家協会(IADL)終身国連代表、
フィリピン国際民衆法廷判事)
◆判事まとめ(判事)
家正治教授
(日本、姫路獨協大学法学部、国際法・国際機構論、
神戸市外国語大学名誉教授、日本国際法律家協会副会長)
◆判決受け取りと挨拶(被爆者)
坪井 直
(日本被団協代表委員)

=================記念シンポジウム===============

―判決の意義と今後の核廃絶運動―

<パネリスト>
●カルロス・ヴァルガス教授
(コスタリカ、コスタリカ大学法学部国際法教授、元国連国際司法
裁判所及び米州人権裁判所コスタリカ代表弁護士、元コスタリカ
外務省法律顧問主席大使、拷問に対する国連選択議定書ジュ
ネーブ(スイス)50カ国草案委員会委員長、国際反核法律家協会
副代表、当民衆法廷判事)
●井上正信
(弁護士、広島弁護士会、当民衆法廷検事)
●高橋昭博
(被爆者、広島)
●下平作江
(被爆者、長崎)
●前田 朗
(東京造形大学教授、国際人道法)

<コーディネーター>
●田中利幸
(当民衆法廷実行委員会共同代表)

◇主催
「原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島」実行委員会
共同代表
坪井直(被爆者)
佐々木猛也(弁護士)
田中利幸(広島市立大学広島平和研究所教授)
〈事務局連絡先〉
  〒730-0005
広島市中区西白島町18-4城北ビル2階 足立修一法律事務所内
Tel:082-211-2441
Fax:082-211-3331
E-mail:info@abomb-hiroshima-tribunal.com

昨年7月15日ー16日の民衆法廷開催に続き、この判決
公判を成功させるためのカンパにご協力をお願いいたします。
賛同金 一口 2,000円 傍聴券を1枚お渡しします。
【郵便振替】
口座名:原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島
口座番号:01310‐6‐93301

■被告人 フランクリン・D・ローズヴェルト大統領
ハリー・S・トルーマン大統領
ジェームズ・F・バーンズ国務長官
ヘンリー・L・スティムソン陸軍長官
ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長
トーマス・T・ハンディ陸軍参謀総長代行
ヘンリー・H・アーノルド陸軍航空隊総司令官
カール・A・スパーツ陸軍戦略航空隊総指揮官
カーティス・E・ルメイ第20航空軍司令官
ポール・W・ティベッツ中佐(エノラゲイ機長)
ウィリアム・S・パーソンズ大佐(エノラゲイ爆撃指揮官)
チャールズ・W・スウィーニー大尉(ボックスカー機長)
フレデリック・L・アシュワーズ中佐(ボックスカー爆撃指揮官)
レスリー・R・グローヴズ少将(マンハッタン計画・総司令官)
ジュリアス・R・オッペンハイマー(ロスアラモス科学研究所所長)





<原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島>
呼びかけ人及び実行委員の皆さん

「原爆民衆法廷」の報告とお願いについて

「原爆民衆法廷」は、06年7月15日、16日の二日間、広島平和公園・メモリアルホールで開催しました。

検事団の「起訴状と訴状」提起で、原爆の開発・製造・投下に関わった共同謀議及び実行行為の責任者としてローズベルト大統領、トルーマン大統領など15名を「人道に対する罪、戦争犯罪」として訴追しました。法廷は、極東国際軍事法廷条例を基準として運営しましたから、民衆法廷とはいえ国際機関による公式法廷と同様な位置づけを持っています。

起訴事実に基づいて各証人に出廷してもらい、検事団、判事団、法廷助言者が各々の立場から質問がされ陳述が行われました。法廷は、二日間で延べ500名の傍聴者を得、初めて「原爆投下責任」を裁いた取り組みとして成功しました。7月16日午後4時半過ぎ、判事団は2時間の合議を終えて再登壇し、判決要旨を厳粛に発表しました。

事実認定を行った後、「極東国際軍事裁判所条例、国際人道法などに違反する」として、被告人15人全員に<有罪>を宣告しました。また、米国政府に対して「被害者に公式な謝罪と賠償を求めるなどの5項目の勧告」が出されました。

ハインズ判事団長は閉廷に際し、この法廷の歴史的意義を強調し、「広島から発したこの判決が台風のように世界を席巻することを願う」と述べ、傍聴者に感銘を与えました。

「原爆民衆法廷」は、原爆投下責任を初めて明確に裁いたものとして、歴史的意義を持つものとなりました。その後も、文書による「判決文」作成に向けて、事務局は引き続き作業を進めてきました。「判決文」は早ければ今年11月にも出される・・との予定でした。しかし、判決文作成に必要な「法廷証言・陳述書」と検事団・判事団・法廷助言者と証人のやり取りをテープ起こしする作業、それを整理し英語に翻訳する作業に加え、海外の判事団との連絡・調整に大変な労力と時間を費やし、「判決文」受取は来年の春ごろになる見込みとなりました。

この間、呼びかけ人・実行委員の皆さんをはじめ多くの方々に物心両面の支援を受けてきましたことに、事務局として深く感謝しています。

問題は、必要な資金調達が出来ていないことです。法廷開催には、当初、約300万円の資金が必要と見込んでいました。主要な経費は、「海外からの出廷者に対する旅費等、起訴状等の必要不可欠な資料の翻訳経費、同時通訳経費(同通装置費用含む)、陳述書及び関連資料の翻訳経費」などなどです(詳細には、別紙「会計報告書」を参照されたい)。

現在のところ、約90万円余が不足し、経費未払いとなっています。

皆様に重ねてお願いするのは心苦しいのですが、必要経費不足分を確保するために、ご協力をお願いする次第です。

皆様の周辺のかたがたにカンパの要請をしていただくことと、呼びかけ人・実行委員の皆さんお一人「1万円」の募金をお願いしたいと思います。

どうかよろしくお願いいたします。

2006年12月20日



共同代表
坪井 直 (被爆者)
佐々木猛也(弁護士)
田中 利幸(広島平和研究所教授)

事務局長
足立 修一(弁護士)



判決要旨

レノックス・ハインズ判事団長が事実認定を行い、起訴状の内容をおおむね認めた。カルロス・ヴァルガス判事が法的結論を述べた。

まず、共同謀議者として起訴された次の9人の被告人、すなわち、フランクリン・D・ローズヴェルト大統領、ハリー・S・トルーマン大統領、ジェームズ・F・バーンズ国務長官、ヘンリー・L・スティムソン陸軍長官、ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長、トーマス・T・ハンディ陸軍参謀総長代行、ヘンリー・H・アーノルド陸軍航空隊総司令官、レスリー・R・グローヴズ少将(マンハッタン計画・総司令官)、ジュリアス・R・オッペンハイマー(ロスアラモス科学研究所所長)の全員に対して、極東軍事裁判所条例5条ロ(通常の戦争犯罪)、5条ハ(人道に対する罪)につきすべて有罪。

次に実行行為者として起訴された被告人11人について、すなわち、ハリー・S・トルーマン大統領、ヘンリー・L・スティムソン陸軍長官、ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長、トーマス・T・ハンディ陸軍参謀総長代行、ヘンリー・H・アーノルド陸軍航空隊総司令官、カール・A・スパーツ陸軍戦略航空隊総指揮官、カーティス・E・ルメイ第20航空軍司令官、ポール・W・ティベッツ中佐(エノラゲイ機長)、ウィリアム・S・パーソンズ大佐(エノラゲイ爆撃指揮官)、チャールズ・W・スウィーニー大尉(ボックスカー機長)、フレデリック・L・アシュワーズ中佐(ボックスカー爆撃指揮官)の全員に対して、極東軍事裁判所条例5条ロ(通常の戦争犯罪)、5条ハ(人道に対する罪)につきすべて有罪。

※正式な判決文は来春をめどに出る予定です。


勧告

当法廷は以上の判決理由及び結論に基づきアメリカ合衆国に対し以下の勧告を行うものである。

  1. アメリカ合衆国は、1945年8月6日及び同月9日の原爆投下が国際法に違反すること認め、核兵器の投下は国際法上違法であるという宣言を文書として国立博物館に永久に保存し公開しなければならない。

  2. アメリカ合衆国は、広島・長崎で被爆したすべての被爆者及びその親族に対し、公式に謝罪し賠償を支払わなければならない。

  3. アメリカ合衆国政府は、核兵器を使用した唯一の国家として二度と核兵器を使用しないこと約束しなければならない。

  4. アメリカ合衆国は、核兵器を全面的に廃絶し、また地上から核兵器を廃絶するためのあらゆる努力をしなければならない。

  5. アメリカ合衆国は、関係の場所に原爆被爆者慰霊碑を建立し、また原爆投下は国際法に違反することを教育制度の中で国民に教えなければならない。

    「以上」。


「原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島」が成功!
トルーマンら15人に有罪判決!

撮影:長谷川 潤

1945年7月16日、ロスアラモス近郊のアラモゴードでの人類史上初の原爆実験の成功から核時代は始まった。資本主義の高度な生産力が途方もない破壊力に転化した。61年たった2006年7月16日、被爆地・広島で、この原爆投下行為を犯罪とし、実行行為者を有罪とする判決が民衆法廷という法的な手続を経てはじめて下された。

原爆投下を裁く国際民衆法廷・広島は、広島平和記念資料館メモリアルホールで、7月15日(土)16日(日)両日開廷された。初日250名。二日目260名。昨年の被爆60年の12月開催が延期されていたものである。なお、起訴状と国家賠償を求める訴状は、7月4日アメリカ独立記念日にアメリカ大使館に送達されている。

司会は、舟橋喜恵実行委員(広島大学名誉教授)。

開会挨拶を坪井直共同代表(日本被団協、広島県被団協)が行った。

撮影:長谷川 潤

経過説明と法廷の紹介(別紙参照)を
田中利幸共同代表(広島市立大学広島平和研究所教授)が行い、

撮影:長谷川 潤

三人の判事団が紹介された。

レノックス・ハインズ教授
(米国、ラトガーズ大学法学部、国際法・刑法、国際民主法律家協会(IADL)終身国連代表、フィリピン国際民衆法廷判事)

撮影:長谷川 潤

カルロス・ヴァルガス教授
(コスタリカ、コスタリカ国際法律大学法学部、国際法、国際反核法律家協会副会長)

撮影:長谷川 潤

家正治教授
(姫路獨協大学法学部、国際法、国際機構論、神戸市外国語大学名誉教授、日本国際法律家協会副会長)

撮影:長谷川 潤

の三人はいずれも国際法に関する権威である。

撮影:長谷川 潤

判事団指揮の下で開廷した。起訴状(別紙参照)を足立修一検事団長(広島弁護士会)がパワーポイントを使って読み上げた。共同謀議者たる被告人9名、実行行為者たる被告人11名。計15名の被告人について、次の二つの罪名と罰条を掲げた。第一に、通常の戦争犯罪(極東国際軍事裁判所条例第5条ロ)、第二に、人道に対する罪(極東国際軍事裁判所条例第5条ハ)。

撮影:長谷川 潤

次に、アミカス・キュリエ(法廷助言人)意見(別紙参照)として、大久保賢一(埼玉弁護士会)さんが米国政府の立場=原爆投下の正当化の論理を中心に非常に鋭く述べた。そして、争点整理、立証計画説明を経ていよいよ立証に入った。

撮影:長谷川 潤

証人の宣誓後、最初に、「被爆の影響」について、鎌田七男(広島大学名誉教授)さんがパワーポイントを使い証言した。

撮影:長谷川 潤

尋問は、秋元理匡検事(千葉弁護士会)。鎌田さんは、1962年に広島大学医学部付属病院被爆内科助手を皮切りに広島大学原爆放射能医学研究所(原医研)に長年勤務され(1985年同教授,1997年同所長)、2000年の退職まで38年間幸い転勤がなく、それゆえ被爆者臨床データを途切れることなく誠実に追究され、学問的には被爆地の第一人者であり、共著に「原爆放射線の人体影響1992」がある。現在、広島原爆養護ホーム倉掛のぞみ園園長でもある。原爆放射線の人体への影響を簡潔詳細に証言した。直接被爆、外部被爆にのみ絞った証言である。それゆえ現在闘われている原爆症認定集団訴訟の攻防点からすればオーソドックスな証言である。

撮影:長谷川 潤

撮影:長谷川 潤

いよいよ3人の被爆者証言に移った。

最初に、広島平和記念資料館(原爆資料館)の元館長、高橋昭博さんである。

撮影:長谷川 潤

「1945年8月6日午前8時15分、世界最初の原子爆弾が広島の上空で炸裂しました。私は中学2年生14歳でした。爆心地から1.4キロメートルの校庭で被爆しました。人間の想像をはるかに越えた強烈な熱線、爆風、放射線の複合作用によって、広島の街は焼き尽くされ、市民は殺し尽くされました。こうした無差別爆撃は倫理やルールのかけらも存在し得なかった残虐非道な行為と言うほかはありません。戦争に勝つためには、都市を破壊し尽くし、武器を持たない一般市民を完膚なきまでに殺傷することが正当化されました」と冒頭述べ、被爆後の様子を(故・四国五郎さんが描いた絵44枚で構成された)パワーポイントを交えて詳細に証言を陳述した。軍国少年がいかに被爆し生き残りえたのか、61年前の光景がまざまざとよみがえった。証言の最後に、米国政府に対して「原爆投下が実験であったことを認め大統領がすべての被爆者に対して謝罪することを求める」と結んだ。

撮影:長谷川 潤

次に、長崎の下平作江さんが証言に立ち、下中奈美検事(広島弁護士会)が尋問した。

撮影:長谷川 潤

「私は、城山国民学校5年の10歳のとき、爆心地から800メートルの防空壕の中で被爆した。防空壕から出た子どもは皆死んだ」と語り、戦争と原爆が肉親を奪ったこと、妹が戦後自殺したこと、自らも4度の手術を受けたこと(子宮・卵巣・盲腸・胆嚢)、絶望しながらも自殺せず、30年前から語り部を始めたことを証言した。米国政府に対しては、「戦争をしない、核兵器廃絶をすること」が謝罪の意味であると力強く要求した。

撮影:長谷川 潤

撮影:長谷川 潤

次に韓国の郭貴勲さんが証言に立ち、崔鳳泰検事(韓国・大邱地方弁護士会)が尋問した。

撮影:長谷川 潤

郭さんは、韓国人であることを否定され、徹底して皇国臣民教育を受けたこと、すなわち日本による植民地化・強制連行による被害、米国の原爆投下による被害、戦後の日本政府と韓国本国政府による放置の被害、いわば三重の被害について告発した。日本軍に徴兵され、21歳のとき、白島で被爆した。日本の精鋭部隊が竹やりで最後の決戦に臨もうというときに、軍事的には原爆投下の意味は全くなかったことを自身の体験から述べた。米国政府に対しては、「原爆投下の真相を明らかにし、公式な謝罪をし、国家賠償をし、教育を通じて後世に継承させ、原子爆弾製造・使用に関わった人を処罰すること」の5点を明確に求めた。

撮影:長谷川 潤


7月16日(日)の二日目は、立証の続きとして、「原爆投下に至る事実関係」を荒井信一(駿河台大学名誉教授、日本の戦争責任資料センター共同代表)さんが証言し、足立検事団長が尋問した。名著「原爆投下への道」がある。証拠資料は、米国政 府自身が保存・公開した記録に基づく。荒井証言の骨子は以下である。

対日投下使用決定は、1944年9月19日のローズヴェルト米大統領とチャーチル英首相とのあいだでハイド・パーク協定による。1945年4月に大統領職を引き継いだトルーマンの下、目標検討委員会では、はじめから軍事目標にたいする精密爆撃ではなく人口の密集した都市地域が目標とされ、軍事目標主義を逸脱する無差別爆撃が人道にも国際法にも反することを知っていた上で取り繕う議論をしている。暫定委員会の大統領代理、バーンズ国務長官の報告を聞き、トルーマンは6月1日に投下を決断した。7月17日からのポツダム会談では、ソ連スターリンに対して原爆実験の成功(7月6日)を踏まえて望んだ。日本からの終戦工作を受けていたスターリンは8月15日の対日参戦をトルーマンに約束した。7月24日トルーマンは、8月10日までの原爆投下を繰り返すよう指示。日本に無条件降伏を呼びかけるポツダム宣言は7月26日にだされるが、ポツダム宣言12条の書き換えにより明確な天皇制の保証は姿を消し日本政府の受諾を遅らせた。日本が天皇制護持の条件付でポツダム宣言受諾を決定するのは原爆投下、ソ連参戦後の8月10日である。原爆投下が実験であり、対ソ連外交の道具であることを証言した。

次に、「国際法から見た違法性」として、前田朗(東京造形大学教授)さんが証言した。尋問は、井上正信検事(広島弁護士会)。前田さんは刑事法、国際人道法が専門であるが、この間の様々な民衆法廷運動の発展の中で重要な貢献をされており、この日の証言も簡潔明瞭であり提出された意見書「原爆投下の違法性」も力作である。

別紙参照。目次は以下である。

1:証言の趣旨と構成
2:検討対象
3:戦争法と原爆投下
4:戦争法の基本原則
(1)軍事目標主義
(2)不必要な苦痛を与える兵器の禁止
5:原爆裁判東京地方裁判所判決
6:戦争犯罪
7:人道に対する罪
8:国際司法裁判所勧告的意見
9:責任の程度
(1)ジェノサイド
(2)国際法廷における量刑
10:結論。

そして最終弁論、アミカス・キュリエ最終意見を終えて、判事団が合議に入った。 この間に特別企画として、特別証言「日本の戦争責任」を李実根(在日本朝鮮人被爆者協議会会長)さんが行い(別紙参照)、ヒロシマ平和映画祭実行委員会協賛の「Original Child Bomb」が上映された。いよいよ判決要旨の発表である。

レノックス・ハインズ判事団長が事実認定を行い、起訴状の内容をおおむね認めた。カルロス・ヴァルガス判事が法的結論を述べた。

まず、共同謀議者として起訴された次の9人の被告人、すなわち、フランクリン・D・ローズヴェルト大統領、ハリー・S・トルーマン大統領、ジェームズ・F・バーンズ国務長官、ヘンリー・L・スティムソン陸軍長官、ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長、トーマス・T・ハンディ陸軍参謀総長代行、ヘンリー・H・アーノルド陸軍航空隊総司令官、レスリー・R・グローヴズ少将(マンハッタン計画・総司令官)、ジュリアス・R・オッペンハイマー(ロスアラモス科学研究所所長)の全員に対して、極東軍事裁判所条例5条ロ(通常の戦争犯罪)、5条ハ(人道に対する罪)につきすべて有罪。

次に実行行為者として起訴された被告人11人について、すなわち、ハリー・S・トルーマン大統領、ヘンリー・L・スティムソン陸軍長官、ジョージ・C・マーシャル陸軍参謀総長、トーマス・T・ハンディ陸軍参謀総長代行、ヘンリー・H・アーノルド陸軍航空隊総司令官、カール・A・スパーツ陸軍戦略航空隊総指揮官、カーティス・E・ルメイ第20航空軍司令官、ポール・W・ティベッツ中佐(エノラゲイ機長)、ウィリアム・S・パーソンズ大佐(エノラゲイ爆撃指揮官)、チャールズ・W・スウィーニー大尉(ボックスカー機長)、フレデリック・L・アシュワーズ中佐(ボックスカー爆撃指揮官)の全員に対して、極東軍事裁判所条例5条ロ(通常の戦争犯罪)、5条ハ(人道に対する罪)につきすべて有罪。大きな拍手が傍聴人から沸き起こった。

※正式な判決文は年内をめどに出る予定です

次に、家正治判事が勧告を述べた。

「勧告」

当法廷は以上の判決理由及び結論に基づきアメリカ合衆国に対し以下の勧告を行うものである。
  1. アメリカ合衆国は、1945年8月6日及び同月9日の原爆投下が国際法に違反すること認め、核兵器の投下は国際法上違法であるという宣言を文書として国立博物館に永久に保存し公開しなければならない。

  2. アメリカ合衆国は、広島・長崎で被爆したすべての被爆者及びその親族に対し、公式に謝罪し賠償を支払わなければならない。

  3. アメリカ合衆国政府は、核兵器を使用した唯一の国家として二度と核兵器を使用しないこと約束しなければならない。

  4. アメリカ合衆国は、核兵器を全面的に廃絶し、また地上から核兵器を廃絶するためのあらゆる努力をしなければならない。

  5. アメリカ合衆国は、関係の場所に原爆被爆者慰霊碑を建立し、また原爆投下は国際法に違反することを教育制度の中で国民に教えなければならない。

    「以上」。

大きな拍手でこの勧告は迎えられた。最後に判事団長のレノックス・ハインズさんが「この60年間、このような法廷という形で世界はこの声を聞かなかった。歴史的な法廷である。この判決は台風になるであろう」と締めくくった。 閉廷後、書記局の横原由紀夫実行委員から判決文が年内の予定であること及び募金の要請があった。閉会挨拶を佐々木猛也共同代表(広島弁護士会)が行った。不十分な点は様々、当然あっただろう。しかし、確かな一歩であったと考える。多くの方々のご協力に感謝します。(事務局)


起訴状,関連法規と訴状-対米国-をUPしました。
(2007.7.24)

新聞報道をUPしました。
(2007.7.29)