Heidi ━━━━━━━━
 
●矢川澄子訳 ハイジ <完訳>  もうずいぶん前になりますが、矢川氏が訳された、作品中の詩に共感し、何度も読み返していた時期がありました。当時のことを懐かしく思い出しながら、このホームページで引用させてもらいました。また、全体に渡って、登場人物のセリフの部分が、とてもくだけた表現になっているのが印象的。パウル・ハイ氏による挿絵。福音館書店より出版中。 
 
●上田真而子訳 ハイジ <完訳>  今回、このホームページを作るにあたって、多くを参考にさせてもらいました。。引用もさせてもらっています。挿絵は、アニメの制作資料になったというマルタ・プファンネンシュミット氏によるもの。岩波少年文庫より出版中。
 
●国松孝二・鈴木武樹訳 アルプスの少女ハイジ <完訳>  ハイジがペーターのおばあさんに読んであげる詩、「こがねいろの太陽は」他、編集されてアニメに採用されています。こがねいろの太陽は よろこびとたのしみにみち ままならぬわたしたちは そのかがやきに よみがえりの めぐわしい光をうける (引用) 復活を謳った訳になっています。偕成社文庫より出版中。
 

●池田香代子訳 アルプスの少女  <抄訳>  正式なドイツ語発音のアーデルハイトではなく、アーデルハイドになっています。アニメでもそうですが。もしも、このホームページで紹介させてもらったに関係があったらすごいかもとひそかに思っています。アトリに語りかけるハイジの言葉が、あまりにもかわいくて引用させてもらいました。講談社より出版中。文庫版はいわさきちひろ氏による挿絵。おじいさんとハイジの絵を引用します。バスケットが描かれているので、ハイジがフランクフルトから帰って来たところでしょうか? 池田氏はドイツ文学の翻訳をされていますが、「世界がもし100人の村だったら」の再話もされていて、2002年、講演を伺う機会がありました。サインももらったよ〜!

 
●野上彌生子訳 アルプスの山の娘  <抄訳>  野上彌生子全集(岩波書店/1987年)に収められた1941年の作品。「ハイヂ」「アルムをぢさん」のように、旧仮名遣い。「着物」「襦袢」など、訳された時代を物語っています。そういえば、アニメのおじいさんも、ハイジの服を「着物」だと言っていました。
 

●塩谷太郎訳 アルプスの少女  <抄訳>  世界の名作図書館(講談社/1966年)に収められたもの。細かく表題がついていて、読書のポイントが分かりやすくなっています。この巻の一番初めのページには、ハイジとクララが干草のベッドの上で祈っている、武部本一郎氏によるがページいっぱいに描かれています。宗教的な美しさを描いた絵がトップに載った時代があったんですね。解説を見ても、宗教面が割合ストレートに語られているように思いました。ここでは割愛しますが、古いハイジの解説には同様のことが言えるかも知れません。現代では、いろんなことを考慮されている場合が多いと思います。それもいいですが、ストレートに言っていた時代があったことに、ちょっと勇気をもらったのでした。

 
●(絵本) アルプスの少女  文:三越左千夫、絵:朝倉摂、(世界文化社/1972年)。表紙に故郷を想って涙するハイジの絵。全体に渡って、スケッチ風の重い感じの絵が印象的。太陽燦々のアルムでも、どことなく重く描かれ、登場人物の境遇などを強調しているかのようです。私としては、もっと明るく描いてほしいような気がしますが、この絵本の色彩もまた、作品の一面なのだろうと思います。この絵本でハイジの物語を読んでいて、ふとひらめいた星野富広氏の詩を引用します。
 
よろこびが集まったよりも かなしみが集まった方が
しあわせに近いような気がする
強いものが集まったよりも 弱いものが集まった方が
真実に近いような気がする
しあわせが集まったよりも ふしあわせが集まった方が
愛に近いような気がする
 
フランクフルトで祈るハイジの絵を引用します。一生懸命なハイジです。
 
 
Johanna Spyri ━━━━━━━━━
 
●コルネリの幸福(1890年)  野上彌生子訳。全集(岩波書店/1988年)に収められた1946年の作品を底本にしたもの。野上氏の孫たちへのメッセージの中に、ハイジとコルネリは姉妹だと書かれていました。愛情によって救われ、教育によって成長するコルネリ。作品の後、コルネリはどうなりましたか? という小さな読者からの手紙に、スピリは、自分の写真を同封して、こんなおばあさんになりましたと返事を書いたと言います。返事をもらった子供はちょっとびっくりしたかも知れませんが、スピリの作品に対する想いや潔さが垣間見られるエピソードのように思います。
 
<参考図書> アルプスの少女ハイジとともに(彌生書房)
 
●やぎ飼いのモニ(1886年)  植田敏郎訳。世界少年少女文学全集(河出書房新社/1962年)に収められたもの。ヨーデル調のさけび声で歌うモニ。正直がいちばんという話。モニの職業ですが、やぎ飼いという言葉になじみが薄かったのか、この訳ではひつじ飼いになっていて、タイトルも「ひつじ飼いの少年<モニー>」で、でも連れて歩いているのはやぎです。
 
 
Others ━━━━━━━━━
 
●シャルル・トリッテン著  「それからのハイジ」「ハイジのこどもたち」 ハイジの大ファンのトリッテン氏の解釈が随所に見られます。ストーリーとしてはおもしろいけれど、作風の違いが気になるので、続編というより、別の作品だと思うことにしています。この作品を読んでからハイジに戻ると、スピリが目指していたものが見えて来るような気もします。復刊ドットコムの投票多数で復刊し、ブッキングより出版中。
 
●田村 ルリ著  「E.ロッテンマイヤーの回想」 アニメのロッテンマイアをもとにしているので、原作から見ると話が合わないところもありますが、ロッテンマイアには誰にも話していない本音があったということで、安心させてくれます。新風社より出版中。
 
 
Books about Heidi ━━━━━━━━━
 

●アルプスの少女ハイジとともに 高橋健二著  (彌生書房/1984年) 古い本ということで、よごれていてもよければということで取り寄せできました。スピリについての貴重な資料ですが、スピリが日曜日にひっそりと天に召されたところでは、感極まるものがありました。

 
●ヨハンナ・スピーリ 玉木功著  (教会新報社/1982年) 少年少女信仰偉人伝、全30巻の第21巻。子供向けのスピリの伝記。幼いハニー (スピリの幼名) が、両手に「ばら」を持って、父親の部屋を訪れるところから始まります。表紙には、油絵調のスピリの絵が描かれています。
 
 
Greeting Card ━━━━━━━━
 

●M.Lengacher 絵 スワンのカード  神戸六甲山牧場にあるハイジカフェで、マイエンフェルトから来たグッズを販売していて、そこで見つけました。Heidi's Schwänli 「ハイジのスワンちゃん」。ハイジがおじいさんのもとを訪れた日、おじいさんは、スワン+ li (〜ちゃん) と、ハイジに紹介しました。妻を早くに亡くし、息子夫婦を亡くし、また村から離れてしまったおじいさんにとっては、自分の子供のように感じて来たのかも知れません。村でいちばん品があるという、スワンの涼しい表情がお気に入りです。

 
 
 
 
 
 
※想いの残った本をピックアップしています。
 
素材 ivory MIDI
 
2007.11.15. up
2006.12. 5. up
2006. 4.29. up
2006. 2. 1. up