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映画「ハイジ」
I'm Heidi.
大阪のスカイビルにある梅田ガーデンシネマで、英語を話すハイジの映画を観て来ました。 ポール・マーカス監督、2005年のイギリス映画。夏休みとあって、日本語吹き替え版も人気のようでしたが、字幕スーパー版にしてみました。
厳選によって、スロベニアで撮影したという山々が美しく、清々しかったです。6週間かけて撮影したということですが、季節は、秋から冬にかけてでしょうか。木々は色づき、空気が澄んで感じられ、山小屋に灯るランプや蝋燭、暖炉の火に温かさを感じました。途中、雪のシーンも出て来ます。
マックス・フォン・シドーが演じるおじいさんは、村のうわさを逃れて、独り山小屋に住んでいます。とてもダンディで、あるときは渋く、あるときは茶目っ気のある表情をします。一徹な様子が、より人間的に描かれているように思いました。しかし、ハイジの優しさには敏感です。ハイジを慈しむ気持ちが、真摯に芽生えます。
ハイジ役のエマ・ボルジャーは、年齢が10歳。表情が豊かで、原作のハイジの年齢より5つも上ということもあって、登場時からずいぶんしっかりした印象でした。ペーターに名前を聞かれて、"I'm
Heidi." と答えます。ゼーゼマン家でも、洗礼名はアーデルハイドで、本名はハイジです。映画のタイトルも、Heidi。この映画では、ハイジは、アーデルハイドというより、ハイジなんですね。 フランクフルトのゼーゼマン家では、喜劇王チャールズ・チャップリンの娘、ジェラルディン・チャップリンが演じるロッテンマイアが執事をしています。ハイジには厳しく、ハイジの服を引き裂いて燃やしたところでは、しばし目が点になりました。クララのおばあさまの突込みによって、ある告白をしています。少しはロッテンマイアへの理解が生まれるでしょうか。田村ルリ著、「E.ロッテンマイヤーの回想」を思い出しました。
クララは、落ち着いた雰囲気で、いかにも優しげでした。若いセバスチャンは、楽しくて、ゼーゼマン家でのハイジを優しく見守ります。デーテは、クララの遊び相手としてハイジを連れて来たことで、ロッテンマイアからお金を受け取っていて、おじいさんやハイジへの話もおどろおどろしいものがあったような。
また、クールな印象のペーターは、笑顔はかわいいけれど、時折、目つきが少しばか鋭かったです。ペーターのおばあさんは、イメージ通り、内面の美しさが感じられました。もっとハイジとのシーンがあればよかったと思います。
この映画オリジナルの演出は、さらに原作のいろんなことを省略したり、変更したり、誇張したりしていますが、丁寧にまとめられていたと思います。ただ、場面の切り替えが早いので、感傷的になり過ぎることは許されません。人と人の気持ちが繋がったとき、心に湧いてくる温かさだったり、山羊のいる爽やかな牧場の風景だったり、山小屋やデルフリやフランクフルトのクラシカルな生活だったり…。一貫して流れる「優しさ」を、さらっと感じて、ぽかぽか心温まる映画でした。(8.12.) |