著書“Diathermy”の著作権侵害となるため、禁無断転載・複写。

図(1)初診時(2007年5月30日、73歳。典型的なReticular Type(網状型)で、出現後1カ月以内。粘膜角化病変の一つである

(図2)Sandwich Irradiation。病変部を中心に両側から挟むように透射する

■症例2 扁平苔癬・紅斑型(Erosive Type)
単純ヘルペス(Herpes simplex)

患者:67歳、女性 
医療面接:特記事項なし。
診断および治療経過:単純ヘルペス(Herpes simplex )。
2008年1月28日;カゼで熱を出した後、発症(再発)。”風邪の花(華)”、“熱の花(華)”と思い(実はヘルペス)、オロナイン(グルコン酸クロルヘキシジン)を塗布していた。
傷口に消毒薬では治癒しない。10日後の状態(図1)。
ワセリン 塗布後、Tegaderm TM Hydrocolloid Thin でMoist wound treatmentをし、内科的Diathermy。LDDS、Moist wound treatmentとDiathermyの三者併用療法を行う(図2)。
2008年1月30日;ワセリン(Moist wound treatment)と内科的
Diathermyのみ。ワセリンをたっぷり塗布し、乾燥を防ぐと痂皮は自然融解し、跡形が残らない(図3)。
2008年2月28日;まったく痕跡なく治癒(図4)。

(図3)2日目(1月30日)。臨床症状は無くなっている

(図4)約1ヶ月後(2月28日)。通常見られる色素沈着残っていない


患者:73歳、女性
医療面接:糖尿病、胃炎、高血圧(160/100㎜ Hg)、アルコール・卵でアレルギー反応が出る。うっ血性心肥大、狭心症、脊髄梗塞があり、白内障手術、左変形性膝関節症の手術などにより、約10種類の薬を服用している(デゾラム、ウルデナシン、ガスモチン、アルセチン、ジブキシサンド、アプレース、ディオパン、エペナルド、ガスポート、ケンタン)。
診断および治療経過:
2007年5月30日;右臼後三角、齦頰移行部、頰粘膜にわたる扁平苔癬(Lichen Planus、図1)。食事時が苦痛でQOLの低下が著明。病変部をオゾン水で洗い、内科的Diathermy透射。投薬は一切していない。
2007年6月1日;病変部と外表部からSandwich Irradiation(サンドイッチ透射)、10分(図2)。
2007年6月4日;「お陰様で」と言われるようになった。約50%治癒(VAS:5/10)。わさびやその他の香辛料でも痛みを感じなくなった。サンドイッチ透射、10分。
2007年6月9日;約80%治癒(図3)。Sandwich Irradiationで思わぬ効果が出現。Dry Mouth(ドライマウス)が治ってきたのである。多剤服用患者によくみられる現象だが、いままで睡眠時に枕元に200mlの水を置き、夜中に口渇が出ると、1~2時間おきに水を飲んでいたのが不要になり、朝まで熟睡できるというのである。これは、右側耳下腺・顎下腺付近に同時に透射されているためで、Dry Mouthの治療が同時に行われたことによる。おかげで安定剤、睡眠剤を服用しなくてもよくなった。

 どの様な口内炎でもレントゲン撮影。硬組織疾患を検査し、口腔内のPlaque Controlが基本である

★抗ウイルス薬・消毒剤・抗生物質など使用しなくても、ラジオ波で跡形無く治癒する。あなたはどちらを選択しますか?★

(図3)6月9日。80%治癒。本人は完治と思っているほど、臨床症
状は無くなった。Sandwich Irra-diation

(図4)6月14日。ステロイド、漢方薬など一切使用せずに、約2週間で完治



★30年来ステロイド剤療法以外に進歩がない難治性と言われている扁平苔鮮にも大いに期待できる。出現後、できるだけ早期に加療を始めるのが基本である。火災の消火活動と全く同様で、初期症状の出現状態の時点で徹底的に封じ込める。発現後長期にわたる症例は、難治性になりDiathermy効果が発現しない★


扁平苔癬(Lichen Planus)

(図1)初診時(2008年1月28日)、67歳。発症後10日後の状態。
水泡が破れ、痂皮を形成し始めている。このままでは、跡が残りや
すい

(図2)同日、Tegaderm Hydrocolloid Thinで傷の乾燥を防ぎ内科的Diathermy透射。あとは洗顔も可能になる

 大別すると網状型と紅斑型に分かれる。
網状型:僅かな隆起と白い網目状の粘膜表面の角化が特徴。頰粘膜、絶縁が好発部位で、歯肉部分は少ない。内科的Diathermyが良く反応する。舌感で少し粘
 膜表面の荒れた感じや、カミソリで切ったようなヒリヒリ感が初期症状。                   
紅斑型:疼痛や時には灼熱感を伴う場合があり、QOLが著しく低下する。長期経過症例ではDiathermy効果が少ない。 

 Erosive Type(紅斑型)
 
扁平苔癬の中でも最も難治性の高いErosive Type(紅斑型)で、本症例では幸い皮膚に症状が無いが、多くは皮膚にも苔癬症状が併発する場合が多い。歯槽部歯肉全体にErosionが拡大し、疼痛のため、Plaque Controlができず口腔衛生状態がきわめて悪くなる。

患者:61歳、女性
医療面接:総コレステロール(280)、動脈硬化指数(5.0)、その他特記事項なし。
診断および治療経過:三ヶ所の歯科医院、内科、某国立大学医学部皮膚科でのパッチテストを受ける。その後、同大学歯学部口腔外科で計13年間加療。ステロイド、漢方その他すべてに効果無く、アズレンスルホン酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウム(含嗽用ハチアズレ)のみ痛みが少なく含嗽可能。その他の含嗽剤は疼痛のため使用できない。月一回の受診日には、担当医は避けるような表情を取る。当Clinicの内科的Diathermyを求めて来院。

■症例1 扁平苔癬・網状型(Reticular Type)(図1~4)