第5展示室

No.1 とはどんな機種?入門機種なのか?
Nikkan No.1 (#63410X)をここでは紹介してみる。1963年製と考えられる。No.2およびNo.3 という、当時のラインアップを考えると、B♭管の入門機種と考えられる。以下では、実際にそのスペックや特徴をみていくことにする。 


写真 No.1(#63410X) 説明文・観察結果
ベル彫刻:No.2シリーズやNo.3のモチーフとは異なる。
バルブケーシングの形状:No.2シリーズやNo.3と同様である。下のピースと接続帯部の間からハンダ漏れがあることから、2ピースか?
バルブ間支柱形状:No.2シリーズやNo.3と似ているが、溝が浅くU字状を呈する。
マウスパイプの指掛けの形状:薄い板状でマウスパイプの形状に合わせて、彎曲させてある。上面から見ると凹んでいるように見える。
押し金の形状:貝などははめ込まれていない。真鍮にラッカーが施されている。刻み目の帯が中間あたりに所在する。
ピストンケースの底の形状:No.2,シリーズやNo.3のように深い。周縁に溝が囲む。
ピストン:押し金の裏のフェルトは緑、バネは剥き出し、ピストンスピルはプラスチック製(No.2系統と同様)ピストンケースは真鍮剥き出し。
リードパイプと第3スライドの間の小支柱の形状:他の機種のように、板と支柱の組み合わせではなく、雑な作りの六角柱状の接続部と中間部をくり貫いた1ピースものである。
第1スライドとベルの間に小支柱がない。
第2スライドのカニ目形状:No.2およびNo.3と同様である。
第1スライドのカニ目形状:No.2およびNo.3と同様である。
延べ座の形状:六角柱である。接続部は半裁されている。先は丸められている。
ウォーターキーおよび唾抜き穴の形状:No.2シリーズと同様である。
レシーバーの形状:かなり単純である。マウスパイプとの境界に細い溝がある。

暫定的であるが、観察結果と考察をまとめると以下のようになる。

1. 上位機種であるNo.3No.2シリーズと共通パーツがいくつかある(No.3とはバルブケーシングの形状・カニ目など、No.2シリーズとはバルブケーシングの形状・カニ目・ピストンスピル・ウォーターキーなど)。
2 No.1に独自のパーツや処理が多い(主管支柱がない・ベル彫刻・バルブ間支柱・マウスパイプの指掛け・押し金・メッキが施されていいないピストンケース・小支柱が特殊なうえベルと第3スライドにしかない(バルブケーシングとマウスパイプおよびバルブケーシングとベルを除く)・延べ座・レシーバー)。いずれも、独自のパーツおよび処理を用いているが、いずれも簡素で作りが雑である。ゆえに、No.1は低位機種である可能性が高い。

以上の観察結果および他機種との比較から、
No.1はNo.2シリーズやNo.3よりも低位機種と考えられる。そして、入門モデルである可能性が高い。No.1にあったこれらの簡素で粗雑な特徴は、その後のNikkanのラインアップでは見られないため、このNo.1系統は、1960年代中葉〜後半には廃番となった可能性が高い。また、この当時のNikkanの機種序列がNo.1→No.2シリーズ→ No3.と3段階あり、左から順に高くなるようである。また、この機種序列概念は、Nikkan終末期およびそれ以降にもつながる流れであるのかもしれない。


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