第1展示室

 Nikkan No.3 (#64711X)をここでは紹介します。Nikkanの最高機種である Imperiale が製造される直前(ニッカン・インペリアル概論/Commecial Bronze Club 参照)の1964年製と考えられる。No.1およびNo.2 という、当時のラインアップを考えると、B♭管の高級機種です。以下では、実際にそのスペックや特徴をみていきます。 

写真(クリックすると拡大します) 説明
全体像です。まず目に付くの特徴は

1.第3スライドにウォーターキーがある
2.第1スライドに指掛け用の調節ネジがある
3.第1・3スライドの調節ネジが側面についている

4.主管支柱は、Imperialeと異なり、No.2シリーズやTR-134と同様

5.ベル彫刻は、No.2Oとよく似ているが複雑である
欠品 1・3番スライド指掛け(ヤマハのものを代用)、3番スライド指掛け固定ネジ(No.2Oのものを代用)、1番ピストン押し金(No.2Oのものを代用)

全体

パーツ

写真 特徴・観察結果
驚くべきことに、第1・3スライドはリバースタイプでした(このようなNikkan他にありません?ですよね。超ゴージャス)。Imperialeのように刻みはありませんでした。
レシーバー部の形状は、デザイン的には、後のNo..2OやTR-134と同じですが、厳密に言うならば、No.2Oのみと同じです。
フックの形状は、後のNo.2OやTR-134と同様のデザインですが、厳密にいうならば、No.2Oのみと同じです。ピストンの押し金は、後のNo.2OやTR-134と同様です。
カニ目の形状は、No.2シリーズ(古い型であるNo.2およびNo.2O)と同様です。スライド基部は、折り返しや溝の多い構造になっています(やっぱりゴージャス!)。
第1スライドのとバルブケーシングが平行に配置されています。この時期のNikkanのものでは一般的です。斜めに配置されるImperialeとは異なっています。
小支柱の形状は、この時期のNikkanでは一般的な形状です。No.2シリーズやTR-134などと同様に、ひし形の板に丸みを帯びた1ピースのものが着きます。
バルブケーシングの形状は、接続部において、No.2シリーズと同様です。
ウォーターキー自体の形状はNo.2シリーズと似ていますが、No.2シリーズが金属板を曲げたものであるのに対し、真鍮削りだしです(豪華です)。バネと主管を接続するパーツの形状はImperialeとよく似ていますが、それよりもネジが大きいです。No.2シリーズよりもそれは小さいのですが。また、I
mperialeには、ネジ穴が深くネジが深く入り込むのに対し、No..3は表面で固定されます。唾抜き穴の形状は楕円型でImperialeとは異なります。No.2シリーズやTR-134と同様です。
第3スライドのトップが抜けそうなのですが、わかりません。折り返しや溝の多い構造になっています(さらに、ゴージャス!)。
ピストンの押し金に貝がはめ込まれています。これは後のNo.2OやTR-134と同じです。形状も両者と似ていますが、裏にはめられているフェルトが茶色?臙脂色?であり、前者の緑色とは異なります。下からピストン管を見ると、No.2Oのように大きくへこんでいます。TR-134やImperialeよりも格段に深いです。
ここで面白かったのは、低位機種ではピストン管のバネが剥き出しであるのに対し、Imperiale同様、No..3はケースに入っています(ゴージャスですね)。ピストンスピルは、黒のプラスチック製でImperialeの真鍮製とは異なります。ピストン管の下部は、No.2とは異なり、No.2OやImperialeと同様にクロームメッキ?が施されています(この時期にクロームメッキ?とはゴージャス!)。

比較

写真 特徴・観察結果

全体画像
上段:No.3
中段:No.2O
下段:TR-331(後期初期型Imperiale(インペリアル世代のモデル名の変遷/Commercial Bronze Club 参照)
同じ平面にベルを下に楽器を立て、ベルからバルブの距離を比較した。
左:No.3とNo.2O
右:No.3とTR-331
No.3はImperialeと同様にベルからバルブの距離が遠いことがわかります。

暫定的ですが、観察結果をまとめると以下のようになります。

1. 後のNo.2Oと共通点が多い、後のモデルチェンジで上位機種であるNo.3からの下りていくパーツが多い。また設計も下りていくようである。
2. 高級機種であったため、スライドをリバースタイプにするなど、特殊な試みが認められる。また、細部にわたり、丁寧かつ装飾的に作られている。
3. また、高級機種であったため、指掛けを用いてスライドを随時動かして音程を調節できるなど、中・上級者への利便性を考慮している。
4. 当然ながら、低位機種との共通パーツがいくつかある。
5. 後の最高機種であるImperialeにつながる設計も認められる(指掛け固定ネジの向き・第3スライドのウォーターキーの付属・真鍮削りだしのウォーターキー・ウォーターキー固定部の形状・バルブケースの設計・ベルとバルブの位置関係・クロームメッキ?のピストンケースなど)。

注意:
当ホームページに掲載されている文章の無断転載・無断直接引用は禁止しております。もし、文章を参考にして利用するさいは、当ホームページの記事である旨を必ず明記してください。全ての画像についても無許可での持ち出し・改変・利用は禁止しております。

Copyright(C) 2004 Hyper-Boo All Right Reserved.