第11展示室

YTR-1 #66(1966年製)



記念すべきヤマハの最初の管楽器であるYTR-1
(Hyper-boo所蔵#6612191

 このたび念願かなってYTR-1入手しました。そこで、この楽器の詳しい観察をしてみようと思い立ちました。
 早速、演奏してみますと結構タイトですが、明るい華やかな響き、吹奏感はベースとなっているNikkan Imperialeにそっくりです。ただし、標準装備の1番スライドのフック式トリガーがついており、現在のヤマハのトリガー(愛称チューリップ)よりも幅広で太い私の親指でも楽々操作できます。


 1966年(昭和41年)には、ヤマハの管楽器としては第1号となるYTR−1が発売されました。この楽器は1966年に限って製造されたようで、シリアルナンバー#66××××の楽器が数本確認されています。日管のインペリアルとの違いは、つば抜き形状、第3管のフックの追加、バルブの押し金や、笠ネジ、ボトムキャップの素材これらの素材(インペリアル:洋白、YTR-1:真鍮(TR−2や3と同じでしょう。))、フェルトの色、ベルの彫刻などで、TR−1よりも豪華な仕様になっています(魔法使いの弟子様:第3共同展示室)。

 
 Nikkan(日管) ImperiarleであるTR-1をベースにこの楽器は作られています。以下では、このYTR-1の設計やパーツの特徴を示します。TR-1の記載に関しては、小生も調査成果を投稿させていただいているCBCサイトの「初期型インペリアル(最初期型、後期初期型)比較」を参照しております。

画像 観察結果
派手な彫刻が刻まれています。後期Nikkan以前に見られた大変に美しいものです。知っている中では、Nikkanのトランペットと比較して、最も緻密で左右の均整の取れたデザインです。
筆記体で"Yamaha"のロゴ、やや赤みがっかった黒で刻まれています。下には"JAPAN"と大文字のブロック体で刻まれています。


ベルのプレイヤー寄りの延べ座と1番ピストンの中間あたりに、同様に音叉マークが刻まれています。
マウスパイプの指掛けはTR-1に似ています。
ウォーターキーに反りがあります(魔法使いの弟子様の観察結果)。

YTR-634最初期型に似ています。

付け根の金具は六角形で、Nikkan Imperialeと同様です。

唾抜き穴はTR-1やTR-331の#80のように貼り付け式で長く伸びています。
第3スライドの移動式トリガーの先端はやや丸みを帯びています。Nikkan Imperialeと同様です。

袋ナットとソロバンネジの組み合わせは、Nikkan Imperialeと同様ですが、後のヤマハプロモデルと同様にソロバンネジが2つ付属します

ロッドを固定する支柱は、TR-1とサイズです。TR-331よりも高さが低い。また、TR-1と同様、先端の丸みが強い。
押し金の上には後のヤマハプロモデルと同様に貝がはめ込まれ、押し金裏にはフェルトがはめ込まれています。Nikkan Imperialeには貝の代わりにプラスティック、フェルトはありません。
笠フェルトは黄色、Nikkan Imperialeでは赤色です。
バルブケースは洋白とブラスの2ピースで、形状もTR-1とそっくりです。
バルブ間支柱も、TR−1と同様に細い単純な形状の溝があります。V字状を呈するTR-331とは異なります。
押し金の形状はTR-1に似ています。
笠キャップの形状は独特です。滑り止めの刻みの下に段があります。

また、ブラス製です(魔法使いの弟子様の観察結果)
ピストンケースの底面にバルブの番号が刻まれています。TR-1と同じです。
バルブケースに対して、1番スライドが傾斜して位置します。Nikkan Imperialeと同様です。

フック式トリガーもその傾斜に併せて取り付けられています。YTR−634最初期型と同様です。
第1スライドのカニ目はTR-1のように、TR-331よりも小さそうです。
フック式トリガーの接続部は、管の枝管の段よりも外側の屈曲部になります。

次に、ImperialeTR-331との比較をおこなってみます。

画像 観察結果
上:TR-331
下:YTR-1
上:YTR-1
ウォーターキーに反りがある。

下:TR-331
ウオーターキーに反りがない。
上:YTR−1
ボトムキャップがブラス製

下:TR−331
ボトムキャップが洋白製
上:YTR-1

下:TR−331

1番スライドのカニ目は、やはり、TR-1のようにYTR-1のほうが直径が小さい。
1番スライドフック式トリガーの比較

上:YTR−1
ブラス製

下:YTR−634最初期型
洋白製

形状は良く似ているが、YTR−634最初期型のほうが開きが大きくフック幅が広い。
笠キャップ形状の比較:
左からTR-331、YTR-1、CR-1(#70)

それぞれの形状は異なっている。CR-1は滑り止めの刻み目の下に断面がコの字状の溝がある。
さてクイズです。

来館者の皆様、左にあるベルの色で、機種を当ててください。

なにも差し上げられませんが、あなたの国産トランペットマニア度をチェックできます。




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