ペーパキルト左上 テツ山下貼り絵の世界
                 
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第三話 原点から回帰点へ

ナイロビ在住のC・Hさんのツアーからナイロビに戻り休むヒマもなく隣国タンザニアへ移動。どうしても行きたかった場所があったのです。セレンゲティ。その名を聞いた人も多くいると思います。初めてここを訪れたのは1991年。四国よりも広いこの地で見た全てが私の全てを変えたと言っても過言ではありません。今回の旅の目的に「原点回帰」というものがあったので、どうしてもここは外せなかったのです。ここでも12年の歳月を超えた再会があり、初めて見る光景や変わらぬ「確かな匂い」がありました。たった2泊3日の滞在でしたが、やはりその価値は何物にも代え難く感動的でした。ただ残念なことにチーターにだけは逢えませんでした。セレンゲティの旅を終えて一直線に向かったのは海岸沿いの大都市ダルエスサラーム。そしてザンジバル島。ここでも時間を超えた再会が待っていました。人の気持ちというのはどうして、かようにも時間を引き戻すことが出来るのでしょう?10年という月日が経っても、お互いの心の距離感は変わることがありませんでした。忘れてしまったとはいえ、それでも沸き上がっくるスワヒリ語がより一層「帰国感」をあふれさせたのでした。街や路地を闊歩していく中でこみ上げてくるぬくもりは、ここならではの温度なのでしょう。やはりこの抱擁感がアフリカの持つ魅力なのでしょう。

再び戻ったケニア・ナイロビは相変わらず活気に満ちていました。ダウンタウンの入り口でケニア人に混じって食事をしていると、ジロジロ見られることもしばしばです。周りを見ても外国人は一人もいません。何人かから話しかけられ、答えていると徐々に人が集まってきます。月日が経っても全然変わらないんですよね、この温かさは。もっともっとここにいたいと感じるまもなく出発の時は迫りました。ホームステイ先のおばちゃんは私と別れるのが辛いと言いだし、次回ここに来たら必ず私の家に泊まって欲しいと言いました。「出来る限りメールはするから。」そうして出発の日を迎えました。朝5時、まだ暗いナイロビの街を車は出発。バックミラーには、ちぎれるほど手を振るおばちゃんがいました。

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