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コンサート訪問記

【03/03 日本音楽コンクール受賞者披露演奏会】

日本音コン(毎コン)の受賞者演奏会に行ってきた。仕事柄、高校生や大学生の若いピアニストたちの演奏を聴き、コンサート開催をフォローすることは多いが、彼らが、自分なりのやり方で必死に音楽と向かい合っている姿は、神々しいくらいすがすがしくて、僕も頑張らねばという勇気をもらうことが少なくない。

海瀬京子さんも、そんな努力と才能を兼ね備えた俊英のうちの一人で、コンサートを開くのをお手伝いした縁で、また、同郷ということもあって、応援している。その海瀬さんは、2004年にピティナで準金賞・聴衆賞に輝いたあと、1年で飛躍的な成長を遂げ(その成長は、ちょっと考えられないくらいに衝撃的なスピードだった)、2005年の第74回日本音楽コンクールピアノ部門で第1位を獲得した。東京音大で名教授として名高い播本三恵子先生に教えを受け、本選まで危なげなく順当に進んでの1位だった。

海瀬さんのピアノは、思い切りのよいアプローチとシャープなタッチから、切れ味鋭い鮮やかな音像を描き出すところに特徴がある。毎コン本選のラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番でも、よく整理された曇りのない響きで、ラフマニノフの「作品1」を高らかに歌い上げ、納得の演奏を披露した。

この日は、難曲シューマン。シューマンを弾くには少し硬質かなというタッチだったが、誠実に音楽を捉え、必死にその理想を再現する。右手の軽やかなパッセージなどは、鳥肌ものの美しさで、こういう細かいところに彼女の特徴が端的に現れた。まだまだ追求すべき点はたくさんあると思えたが、時がしだいに解決するだろう。清潔感溢れる演奏に、来てよかったなと心から思うことができた。

他の部門(作曲、ヴァイオリン、チェロ、ホルン、声楽)の皆さんも、それぞれに熱演を披露。すがすがしい感動をもらえる演奏会だった。特に、チェロの宮田大さんは、発音に不安定なところもあったが(その前に聞いたチェリストがペレーニだから仕方ない…)、中音域の朗々とした音楽には将来を期待させるものがあった。

やはりこれから才能を開花させる音楽家たちのコンサートは面白い。今度はどう成長しているだろう。そんな期待に胸をふくらませながら、今から次の機会が待ちきれない。

於:東京オペラシティコンサートホール

横島裕:La Plus Que Grave―グラーヴェより遅く―(作曲部門再演)
篠田昌伸:Free Style Flying for flute, oboe, violin, violoncello and piano(作曲部門再演)
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番より第3,4楽章(植村太郎)
シューマン:ピアノ協奏曲イ短調より第1楽章(海瀬京子)
カバレフスキー:チェロ協奏曲ト短調(宮田大)
カリヴォダ:ホルンとオーケストラのための序奏とロンド(大野雄太)
ヴェルディ:シモンボッカネグラ “おお、地獄だ!…慈悲深き天よ”
プッチーニ:トゥーランドット “誰も寝てはならぬ”(以上、志田雄啓)

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