デジタルカメラ

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フィルム写真機が好きな私は長い間デジタルカメラには興味がなかった。しかし、時代の趨勢というか、もはやデジタルカメラを無視する訳にはいかなくなった。だが、購入してはみたものの、それは主として記録用の道具としてであり、今までは仕事以外ではほとんどフィルムカメラを使用してきた。

2008年までに購入したデジカメは購入順に

Canon DM-IXY DV M5

Lumix DMC-FZ5

Canon PowerShot G9

である。IXY DV M5 は主としてビデオカメラとして仕事で使ってきたが、デジカメとしてもなかなか気に入っている。液晶モニターの角度が自由に変えられるので、モニターを上に向けて二眼レフ感覚で使えるからだ。もちろん、バリアングル液晶を有するカメラは他にもたくさんある。だが、たいていは液晶画面を上に向けるとカメラ本体の手前(撮影者の身体側)にはみ出るため、カメラ本体が身体から少し離れることになる。IXY DV M5 は身体にカメラをぴたっとくっつけて撮影できるので、カメラ本体の形状と相まってまさに二眼レフ感覚になる。しかも、この液晶画面で上から見る画像は感動するくらいすばらしい。今後はおそらく、ビデオカメラとしてではなく、ウエストレベル・ファインダーを持つ静止画用カメラとして使うことになるだろう。開放絞りが広角側で F1.8 というのも魅力的だ。しかもこのカメラは 35mm 換算で f=416mm までの望遠撮影ができる。Lumix DMC-FZ5(f=432mm までの望遠撮影が可能)と同様、望遠側を多用する人にとってはすばらしいカメラだと思う。

写真は左から順に、Canon DM-IXY DV M5、Lumix DMC-FZ5、Canon PowerShot G9

しかし、私の場合は望遠側を使うことは少なく、たいていは広角側で撮る。だから 35mmフィルムカメラ換算で f=24mm はどうしても必要だ。上記のデジカメはその意味で物足りなかった。

そこで、その後にまず購入したのは Ricoh の Caplio GX 100 であり、続いて購入したのが Ricoh GX 200 である。
Ricoh Caplio GX 100 は、発売の約1年後になるとビューファインダー(VF-1)や自動開閉式レンズキャップ(LC-1)も含めて3万円代で買えるようになった。それでまずこれを購入した(2009年1月)。35mm フィルムカメラ換算で 24mm 相当の広角撮影ができるのが魅力だった。でき上がった写真はまるでフィルムカメラで撮ったもののような感じだ。これには感動した。そしてこの機器に夢中になった。その結果、フィルムカメラからデジタルカメに移行するはめになった。

ワイドコンバージョンレンズ(DW-6)を使えば19mm 相当の広角撮影までできるようになる。このコンバージョンレンズは実にすばらしい。画像がほとんど歪まない。使用説明書には広角側で使うよう注意書きがあるが、望遠側で使っても画質がほとんど低下しない。よって付けっぱなしが可能になる。これを使うと「24mm-28mm-35mm-50mm-72mm 」のズームレンズが 「19mm-22mm-28mm-40mm-57mm」のズームレンズに変わる。これはズームレンズを2本持っていることと同じだ。私は焦点距離 35mm(35mm フィルムカメラ換算) 以上(望遠側)はあまり使わないので、付けっぱなしの方がむしろ便利だ。

不満箇所は液晶画面だけだった。撮影済みの画像を見るときはまあまあだが、撮影時の液晶画面はかなりみすぼらしい。これだけは何とかしたかった。それが私を GX 200 の購入へと駆り立てた。

GX 200 は Caplio GX 100 の外見をほとんど変えずに、欠点を大幅に改良したものである。この GX 200 も発売から1年以上経って、本体が3万円台で買える程度まで値段が下がったので、思いきって購入した(2009年12月)。どちらも発売から1年以上経ってから購入したことになるが、1年遅れだと1台分の出費で2台とも買える。

写真は左が Caplio GX 100(+自動開閉式レンズキャップ)、右が Ricoh GX 200(+花形フード+ビューファインダー)

Caplio GX 100 や Ricoh GX 200 の性能やスペックについてはいろいろなサイトで見ることができるし、個人的にはあまり興味もないので、ここでは一切触れないことにする。この2機は形状はほぼ同じで、ビューファインダー(VF-1)、コンバージョンレンズ(DW-6)、花形フード(HA-2)などが共通して使えるという点も実にありがたい。ただ、以下の点には相変わらずやや不満があった。

そこで、すでにフィルムカメラ用に所持していたラバーフードを使って、見た目の変更を試みた。

(1)  (2)  

(3)  (4)

上の写真:
(1)変形させたフードを付けたところ
(2)フードを折り畳んだところ。写真からもわかるように、この状態でも十分にフードの役割を果たすと思われる
(3)折りたたんだ状態でキャップを付けたところ
(4)ワイドコンバージョンレンズ(DW-6)を付けたところ

ちょっとした変更でかなり見栄えがよくなった。ビューファインダーとのバランスもよくなったと思う。撮影の時にカメラを構えやすくもなった。

折りたたみ式花形フードを作ってみてもよかったかなあ、とも思っている。機能的にはその方が絶対にいいだろう。要は、「機能」と「外見」と「コンパクトさ」をいかに調和させるかである。「写真撮影の喜び」は「機能」だけから生まれるものではない。私にとっては、「できあがった写真」は「動作結果のモニター」に過ぎない。「ノイズの多少」とか「画素数の多少」とかは本質的に重要な要素ではない。カメラの液晶画面やコンピュータの画面で見たときにいくら綺麗であっても、プリントアウトした写真が良くないようでは(写真として)意味がない。写真というものは機械が見るものではない。人間が見るものだ。人間の目が識別できない程の画素数の多さは何の意味もない。画素数の多さはときとして画質を低下させる。「美」という観点から言えば、人間の目は機械以上の能力を持っている。

Caplio GX100 の場合、撮った画像をコンピュータの画面で100%表示すればノイズだらけになる。しかし、プリントアウトした画像は実に綺麗だし、画面上でも縮小表示すれば問題ない。端的な言い方をするならば、画面上でノイズが少なくてなめらかだということはプリントアウトしたときに輪郭がはっきりしなくなるということだ。

Ricoh GX200 の方はノイズがかなり少なくなっている。画面用かプリント用かでカメラを使い分けるのが一番効果的な使い方かもしれない。とは言え、同じ場面を常に2台のカメラで撮影するという訳にもいかないので、ある程度妥協せざるをえない。プリント用と縮小表示用に特化したものが Caplio GX100、画面とプリントの両方で使えるのが Ricoh GX200 だと言えよう。プリントアウトした写真だけから判断するならば、GX100 の方に軍配が上がるような気がする。もっとも非常にわずかな差であり、しかもかなり主観的で趣味的な判断基準によるものではあるが...。

私の場合は、撮影した画像を画面上で100%表示することはほとんどなく、画面表示の場合はせいぜいディスプレィ・サイズに縮小したものでいいので、GX100 で撮影した画像で十分だ。ただ、GX200 の方がカメラとしての完成度が高いので、通常は GX200 を持ち歩く。いずれにせよ、Ricoh のこの2機は私を満足させてくれた。これらのカメラの良さはコンピュータの画面やカメラの液晶画面で見ただけではわからない。プリントアウトして初めて良さがわかる。そういうカメラだ。フィルムカメラが好きな人のためのデジカメだ。決して万人向けのカメラではない。所有者を選ぶカメラだ。

ついでながら私の世界では:

  1. カメラというものは「写真を撮る道具」ではない。カメラを操作することが目的であり、カメラは「途中を楽しむ」ためのものだ。できあがった写真は「カメラのモニター」であり、「楽しんだ結果」の産物だ。
  2. コンピュータは「仕事のための道具」ではない。「コンピュータを使うための手段」として「仕事」があるのだ。「仕事の成果」は「コンピュータを使った結果」の産物だ。
  3. 鉄道は「移動の手段」ではない。列車に乗ること自体が目的であり、「移動」は「列車に乗った結果」だ。
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