更新:2006年4月23日
掲載:2004年5月24日

関西大学社会学部「社会調査論T」

間淵領吾
mabuchiAAipcku.kansai-u.acDDjp
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社会調査の諸類型(3):調査法とデータ分析法の種類による分類
―量的調査と質的調査―

1.量的調査と質的調査


データ処理法
統計的       非統計的      
データ収集法 定型的
量的調査
pre-coding
ありえない
非定型的 質的データの計量分析
after coding
質的調査

2.量的調査

大量の調査対象から精選された情報を定型的方法によって収集し、それを数値化して客観的に統計分析する。
調査票調査、統計的調査とも言う。

表.量的調査の例)小泉純一郎首相の北朝鮮再訪成果に対する世論調査結果

<肯定的評価:%> 朝日新聞 毎日新聞 読売新聞
全体として 67 62 63
5人のみ帰国について 56 49 * 72
人道的支援の実施 30 --- 38
経済制裁措置の原則回避 46 --- ---
国交正常化 47 ** 12 ** 30 **
自民党支持者の肯定的評価率 84 --- ---
内閣支持率 54 58 54.5
自民党支持率 37 --- ---
調査年月日 2004/5/23 2004/5/23 2004/5/22-23
調査法 電話(RDD) 電話(RDD) 電話(RDD)
調査対象 全国有権者 全国有権者 全国有権者
計画標本数 1,885 目標数 1,000 1,882
回収標本数(回収率) 1,018 (54%) 1,040 (--%) 1,110 (59%)
注1) --- *:評価理由S.Q比率 ---
注2) **:「国交を結ぶ方が良い」の比率 **:「ただちにすべきだ」の比率 **:「できるだけ早くすべきだ」の比率

資料出所)各紙2004年5月24日朝刊

3.質的調査

小数の調査対象から大量かつ多様な情報を非定型的方法によって収集し、それを主観的に整理し、記述する。
事例調査、事例研究とも言う。

3-1.観察法

(1)参与観察法 participant observation:調査対象集団に成員として参与しつつ観察

Whyte(1943=2000)、Dore(1958=1962)、Becker (1963=1978)、Willis(1977=1985→1996)、佐藤郁哉(1984)、等

(2)直接観察法 direct observation:調査対象の外部から観察

矢守・杉万(1992)、「東京人」観察学会(1994-)、後藤(2000)、等

3-2.面接法

(1)非構造化面接法 unstructured interview:フリートークによるインタビュー
(2)半構造化面接法 semi-structured interview:調査項目を一応決めて、それにそって実施されるインタビュー

面接法に基づく成果としては、Becker (1963=1978)、Bellah et al.(1985=1991)、鎌田(1984→1989)、等。

3-3.生活史法(Life History Method)

口述(中野 1977)、手紙(Thomas & Znaniecki 1918-1920=1983、岩手・和我のペン1984)、葉書(矢部 2000)、日記(中野 1981)、自伝(見田 1979)、新聞・雑誌記事(見田 1984)、写真(電通総研 1993、「東京人」観察学会 1994-、後藤 2000)等を資料として、その内容分析をおこない、研究者が主観に基づいて整理・記述する。

3-4.会話分析(Conversation Analysis)

複数人の間で取り交わされる会話の仕方、内容についての分析(たとえば、好井・他1999、岡田2002、等)。

4.量的調査と質的調査の比較


    質的調査         量的調査    
調査・分析の手法 主観的
客観的
調査・分析手続の透明性

調査可能な標本数 少量
多量
調査内容の臨機応変度

調査に必要な能力の修得方法の標準化 困難 容易
調査結果への感情移入 容易
困難
調査結果から母集団の状態を推計すること 不可能
可能

参考文献

以上