夜明けのハベル
夜明けのハベル、2006.2.14作画



 テダ・ハベルのデザイン過程の記録である。

 テダ・ハベルは、西洋ファンタジー風RPGによくみられるフェアリーのような、お気楽な放浪種属である。しかし、その実体は、群れを成して恒星間に生態系を構築していたプラズマ生物の末裔である。その身体は、無数の「ハベル素子」と荷電粒子で構成されており、全種属中、群を抜いてSF的な背景をもつ種属となっている。

 ふつうの人間の女の子では重すぎて、ヴェロキラプトルやプテラノドンに騎乗できない、ではゲキのほうの設定を変更して、何か身体の小さい種属を考えねばならない……というところから設定検討がはじまった。
 オン・オフとわず開発は進められたものの、設定を考えるのに手間取った。単に小人というだけではSF考証とはいえないし、プラズマ生物、と丸投げするだけでは、なんだかよくわからない。その生物学的起源はなんなのか? 所属する生物群集はいかなるものなのか? 設定するのが大変だった。

 しかし、ヘンな異種属(笑)がいてこその宇宙SFである。せっかく宇宙や異惑星を舞台にしているのに、ただ地球人が出てくるだけでは、SFとして魅力的ではない。なぜか日本人作家には、地球人しか出てこない宇宙SFを書く人がいるが、何が楽しいのか、まったく理解できない。

 ここが踏ん張りどころ、と他の皆がおもったかどうかは知らない。しかしなんとかまとまった。

 同時期に開発がはじまったヌエビトよりも大幅におくれ、サプリメント本として最後のコミケ出展で頒布するまでに、けっきょく1年近くを要した。トモガミの種類も多かったしね。

 上の「夜明けのハベル」は、ラリー君作画のタナの絵とともに、ハベル本の表紙をかざった完成版。このハベルはロロンにまたがっているが、トモガミとしてはマイナー種である。まぁ描き易かったからであろう。

ハベル試案1
テダ・ハベル試案1、2005.9.7.作画

 2005年9月7日、コミスタで作成した電子絵。けっきょく慣れなくて今では使っていない。
 最初に、プラズマ粒子で身体が出来ている妖精風な種属、ということで方針がかためられ、その勢いでかいた絵である。この絵ではまだ人間っぽいが、ふつう掲示板に掲載するも反応はいまいちで、その後、もっと抽象的にまとめる方向になった。このころはまだ「光炎」という仮称でよばれていたが、いまひとつ発音しづらいという意見が出され、テダ・ハベルという名称に変更された。


ハベル試案2
ハベル試案2、2005.9.9.

 二日後にかいた試案。左は抽象化しすぎてわけがわからない。

 右は、プラズマ弾性体でできたコマ状の発光体にのって移動する小妖精のイメージでまとめたもの。妖怪マニアの弟に「これは……妖怪?」等といわれたため、「そこまでいわれるとは、よほど妖怪的なのであろう」と思い、三龍の種属としてはふさわしくないということで、没。きっと和服っぽい服がいけなかったのであろう。やはり全裸でないといけないのだ(?)。

 その後、ほぼ完成版のこの絵にいたる。手や足の先を抽象化して、おじゃ魔女どれみのように処理した。
 この種属はまず映像から入っているので、絵は、すんなり決まった。設定がね〜〜。

 数値としては、ややトモガミが打たれ弱い傾向にあるが、数々の特殊技能や、豊富な電磁系攻撃手段をもっており、あなどれない種属である。飛行できるトモガミが多く、それらについては、龍化すると戦闘機と互角の空戦が可能。
 と、利点は多いのだが、種属の性格が、ハナシをひっぱっていく傾向ではないため、主人公らしいPCを演じたい遊戯者には全く向いていない。設定の難しさもあいまって、上級者むけかもしれない。

 トモガミは基本的に小型の羽毛恐竜や翼竜類である。しかし、一部のトモガミには、スーパーX2のごとく水中から飛び出していきなり飛行することが可能な変異アノマロカリスや、はてはミツリュウクロウサギなど、かなり奇抜なものも含まれている。

 絵としての今後の課題は、ディフォルメ形態と、白黒の線画でどう表現するかという点だよなあ。


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2006.9.29. 掲載 (C)MIKE SHIMIZU