星覇(シンハ)のデザイン過程記録である。

 設定としては、「生身で装甲車や恐竜なみに強いケモノ少女種属」ということで、パラフリ時代の「震星」の蓄積もあり、三龍戦騎RPGの比較的初期にまとめあげられた種属である。しかし、絵として個性をだすのが非常に大変だった。最も検討稿が多い種属だろう。

 人間型のケモノ女性種属でありつつ、独自性を出す。これは難しかった。なにしろヒト型というかたちから大きく逸脱できないし、怪物的な外見にしてしまうと、女の子キャラとして可愛くなくなってしまう。まだしも、クリーチャー然としたガルナス・メイなどのほうがデザインが楽であった。形を自由にいじくることができたので。

試案0
星覇0,2005年4月24日


 2005年4月24日、おえびに掲載。星覇も、ただのケモノ少女ではない特徴的な絵にしたいよね、ということで描いたもの。シルエットを変えようと色々と試みている。威風堂々としたカブキモノっぽさでいい、という悪の博士氏のご感想はいただいたものの、自分で気に入らなかったので没。「とら」っぽく後ろ髪をつけるとか、四足歩行するといった案も考えたが、可愛くなくなる……。
 女の子の特徴を出そうとすると、身体の輪郭はほとんどいじれないという難しさが或る。


試案1
星覇試案1、2005年5月19日おえびに掲載

 威圧感はあるけど可愛くないなあ。ということで没。


試案2
星覇試案2、2005.5.20.

 上の星覇案は、肩だけ毛がもかっている(もかもかしている)のと、髪色が体色と別系統なので違和感があり可愛くないのでは? とおもい、変更してみた絵。
 しかし、「繁殖と豊穣を旨とする、星覇という種属の妖艶さがこの体型では出せぬワ!! 喝ッ!!」と、ひとりつっこみに終始した。ブロッサム入ってるぽ。関係ないがブロ子ハァハァ(;´Д`)


試案3
星覇試案3、2005.5.22.

 体毛と耳毛を強調した呪術的な試案。やはり肩の毛強調路線が、身体のラインもみせることができて良いのではないか、と悪の博士氏と協議。これはハデすぎてちょっと、で没。


試案4
星覇試案4、05.5.24.

 肩の毛をもからせるのではなく、耳のほうで毛を強調した試案。また、サーバル猫っぽく額に縦縞もようをいれた。これは完成版にもうけつがれた。倭克氏から、星覇は震星のベータ版なのだろうから模様などを変えるぐらいでよいのでは、という趣旨のご意見をいただく。それを受けた悪の博士氏は、リンダの虹色のウロコが、子孫である(笑)星覇の耳のブレードに変化したのでは……的な推測を(笑)。
 自分としては、まだちょっと耳がアンテナっぽくて気に入らず、没。ちなみにこの次におえびに投稿された絵はガルナス・メイのビッグ●ード試案であり、メイがそのまま完成に至っている。メイ……完成早いよ。


試案5
星覇試案5、05.6.28。

 耳を強調して(朱雀氏版震星の耳毛形状も加味されている)、祖先たる震星に近いかたちでまとめた試案。しかし、造形物として見た場合、人間型すぎて気に入らず、没にした。「ここでは種属の基本路線をきめているのであって、そのうえにプレイヤー各自で特徴づけすればいいのだから、完成された際立った個性は現段階では不要なのではないか」というもっともな指摘をいただいた。しかしこれでは絵として面白くない、と私は思料したのでR。


試案6
星覇試案6.05.7.2.

 題は、星覇ハード案。倭克氏と、マズル(口吻キャラ)どうよ? といった流れになったのでこの試案。ちょっとスレイヤーズTRYのフィリアたんのようである。
 これではリドイーマなどに近くなり? やりすぎではないか、という趣旨のご指摘を悪の博士氏からいただく。まぁ、ただでさえ全裸獣毛なケモキャラはマイナーなのに、こんなクリーチャー然とした絵にしてはPC種属としてまずかろう。
 このころ、大戸屋やスタバで、弟とラフ画をかきまくって検討していたが、「これはもう駄目かもわからんね」的状態であった。(なんて迷惑な客だ)


試案7
星覇試案7、05.7.3.

 星覇耳クリスタル案。耳に、シンニャンと協調するための結晶体を入れている。当時の自分の書き込みは、「耳の内部から、まめしん共振用のクリスタル??がつきでています あと、目元にも縞模様いれました。
 原理的に、ケモ女性というのは、ケモノ+女性なわけで。突出した外観上の特徴というものを付け加えられる要素が無いんですね。
 アガニや天魂は、魚や植物という、人間とは異質な要素があったので、すんなりデザインが成立しましたが、そもそも獣類は、人間と同質なわけですから、際立つ異質な要素がない。必然的に、あまり冒険は出来ないことになる。と、こういう「ケモ不可変原理」が働いているのでは、と考えます。」
 となっている。これに対しいただいた倭克氏の指摘に「キモくならない範囲でヒトガタからの逸脱ってのが目指すべき答えなのでは?」とあり、「送信:無理だ!」(ハーフライフ2サバイバー)とばかりにキレそうになった思い出がある。


試案8
星覇試案8.05.7.5.

 星覇ムラサメ子案。当時なぜムラサメライガー案と題したのかわからないが、たぶん結晶体がとんがった印象だからだろう。耳を大きくして幼児性を強調しているようだが、これだと森の妖精、といった妖しさは出ないわけである。というかこの絵だけ、絵柄が違ってないか。
 各部結晶体「光りヅノ」は、シンニャンとの協調ワザを繰り出したりするさいに発光するという設定。


試案9
星覇試案9 05.7.6.

 ムラサメ子案2と題されていた絵。模様もウルトラマン的に調整してある。ケモ+ウルトラマン+甲殻、と言われた。胸のクリスタルは印象が強すぎるので考慮を要する、という指摘あり。好評だったので完成案に続く。


試案10
星覇試案10、05.7.7.

 クリンナップされた完成版星覇。耳の下側の角は、肩をひっかかないように丸めた。
 ときに2005年7月7日、これが第一回三龍戦騎RPGコミケ出撃前に描いた最後の絵である。

 その後、星覇はたくさん描いたが、この絵の、模様の片側の線だけ直線状というデザインは、懲りすぎで描き辛いのであった。なにかティーガー戦車のようだ。現在では、あまり縞模様はこの案にとらわれず、光ヅノさえあればいいや、という絵になっている。体色の個体差が激しいのであろう。


画廊目次へ
表紙へ

2006.9.23. 掲載 (C)MIKE SHIMIZU