護龍 護龍とは 海軍編では、トモガミに騎乗しての移動のほか、「護龍」(ごりゅう)とよばれる艦艇にPCが乗りこんでの移動や戦闘が行われる。 アマミツヨの海は過酷だ。「豪嵐」「呑竜」といった自然災害のほか、重武装のファーグニル海軍や、海洋に適応した天魔の眷属などと渡り合わねばならない。そのため、トモガミのほか、特に強力な敵に対しては、PCは「護龍」に乗り込んで戦うのである。 護龍は、陸上種属の知る戦闘艦の分類に強いてあてはめれば、地球における第二次大戦時の駆逐艦に近い。戦闘艦のなかでは小型で、機動性が高く、色々な作戦にもちいることができる。防御力に不安はあるが、小型ゆえ、少人数のPCの部隊で運用するのに適している。それでいて汎用性が高いため、ウツロヒに多用される。全長130メートル、基準排水量2,300トン程度の艦が多い。 しかし、護龍はそれ自体、生きている生体戦闘艦であり、蘇龍機同様、龍魂回路を搭載している。このため、普通の艦艇にはない様々な龍魂能力を発揮する独自の艦種として、護龍という分類名が与えられたのである。 搭乗するのが海棲種属であるため、防御区画など一部をのぞき、護龍の内部には海水が満たされている。また、水上での戦闘もできるが、海棲種属が運用するため、基本的には海中での隠密行動をとる。このため、護龍は、水上艦としての性質と潜水艦としての性質をあわせもっている。 また、各地の調査をおこなうというウツロヒの性質上、トモガミを数体まで搭乗させることができ、そのための設備も完備されている。トモガミは対艦戦闘では無力だが、内火艇のように連絡任務に使われたり、小型の敵との戦闘において活躍する。 特色を列挙すると以下のとおり。 ●パカラ、メイ、ウミアガニ属らの技術の集大成であり、「龍魂工学」を活用した生物と機械の中間的存在。 ●船体構造はおおまかに頭部・胴部・尾部に分かれており、しなやかに関節が駆動し、時として洋上跳躍も可能。 ●竜紋をもつマジムンとの白兵戦用に、ヤシャ衝角(プラズマ弾性体衝角)を備える。 ●知性化装甲により、水流を常に最適化し、抵抗を減少させる。 ●水上戦闘艦と潜水艦の両方の機能をもつ。 ●船内の多くは半水没式で、気密を保った耐圧殻は限定されている。そのため同級のファーグニル潜水艦と比較して、より深深度への潜航が可能。 ●艦内はパカラを利用したパ式計算機が集中配備され、自動化が進んでおり、人員は極めて少ない。 ●対艦戦闘は護龍の火器による。臨検や接舷しての敵艦の制圧、敵前上陸は、搭乗しているゲキにより行う。 ●トモガミは、護龍に搭載されると有機的に艦に接続され、仮死状態となる。その意識は艦上行動用のゲキに移譲される。トモガミの龍魂は艦と一体のひとつの巨大な龍魂回路を形成し、艦の動力源となる。 ●護龍は、独自の武魂発動が可能であり、大出力竜紋発生器をもつ。 武装 護龍の武装は、水上戦用と水中戦用に大別される。 【主砲】 120ミリ程度の砲で、水上での対艦戦闘や、対地砲撃に使われる。水中では使えない。対空射撃は出来ないのが普通。電磁兵器は一般的でなく、装薬式の火弾砲がふつうである。大型の護龍では、副砲を搭載する場合もある。一部の護龍では、砲を撤去して誘導弾(ミサイル)を装備しているが、高価なので一般的ではない。 【魚雷】 強大な装甲目標に対して絶大な破壊力を発揮するのが、魚雷である。水中または水上の目標しか攻撃できない。魚雷による攻撃を、雷撃という。 魚雷とは、魚形水雷、すなわち水中を航進する炸裂弾である。炸薬量が多く、また水面下で炸裂するため、水圧によって敵艦に多大な損傷を与える。ただ、砲にくらべると射程が短く、弾速も遅いため、当てるのは難しい。費用もかさむ。誘導装置を搭載した魚雷もあるが、無誘導のものに比べてさらに高価である。洋上では、砲撃によって目標を弱らせた後、トドメとして使われることが多い。 水中では、主砲は使えないため、魚雷が多用される。魚雷で水中目標を攻撃する場合、まず音波探信儀(ソナー)により目標を補足しなければならない。水中では視界が悪いので、目視による対艦戦闘は行えない。 【対空砲】 最上甲板の各部に装備される、小型の砲や機関銃。水中では使えない。飛来する航空機、飛竜や誘導弾などの迎撃に用いられる。また、主砲や魚雷を使うまでもない小型の水上目標に対しても使われることがある。自動化されていない場合、キャラクターが直接に操作して射撃を行う。この場合、対空戦闘にともなうマイナス修正を受ける。装甲がないため危険性は高い。 【衝角翼】 護龍は、海棲マジムン(怪物)との戦いのため、白兵戦用の武装を備えている。水中および水上目標を攻撃できる。艦首にそなえたツノのような突起物が衝角、推進装置である水中翼にそなえられた刃が衝角翼とよばれる。多くは機械駆動する巨大な爪のような武器であり、竜紋を無効化できる至近距離にて、目標を打撃する。衝角に高電圧ヤシャダマを発生させ、より効果的に敵を攻撃することもできる。水中目標を攻撃する場合、音波探信儀により目標を補足しなければならない。 構造 全体 船体内部に密閉された耐圧殻はほとんどなく、海水が内部にまでいきわたる浸透構造の船体をもつ。ただし、肺呼吸する種属のために、限定的ではあるが、居住区は耐圧殻に覆われている。 竜宮 護龍は、トモガミ用に大型の居住区を有している。これを「竜宮」という。竜宮の構造は、それぞれの種属に適したものとなっており、大型のトモガミでも収納できる水槽のような区画である。トモガミは、竜宮に搭乗すると、その神経系統が有機的に護龍と接続され、仮死状態となる。船上での活動は、ゲキや端末ロボットによる。 龍魂晶 護龍にも、蘇龍機同様、龍魂体の集合体である有機集積回路が搭載されている。これが、ファーグニル軍艦艇にはない、護龍のいろいろな特殊能力の源泉となっている。護龍の龍魂晶は、竜宮に収納されたトモガミの龍魂体と接続されることで一つの大出力龍魂回路を形成し、より強力な龍魂能力を発揮することができる。 護龍の能力値 大型のトモガミのようなものであり、トモガミ同様、「体」「動」「知」の値がある。それぞれの部署を担当するゲキ単体の能力値との平均値が、護龍の判定につかわれる「護龍判定値」となる。 各科紹介 護龍は、通常の艦艇に比べればパ式計算機によって自動化が進んでいるが、それでも複数の乗員によって運用する都合上、艦内の乗員はいくつかの科にわけられて組織されている。 ●「司令」「砲雷」「機関」「通信」「内務」の5科の指揮を、それぞれPC1名づつが受け持つ。 ●PCはそれぞれの科の長となり、例えば砲雷科の長たるPCは、「砲雷長」とよばれる。なお、司令部の長は全科の長でもあり、艦長とよばれる。 ●PCがいない科においては、NPCが長を代行する(後述)。 各科の役割は以下のとおり。()内は、対応する護龍の能力値を示す。 司令部(知):いわゆる戦闘司令室、艦橋にて指揮をとる。戦術の対抗判定、主導権判定、航路決定などを行う。 砲雷科(知):砲撃や雷撃など攻撃面をつかさどる。戦闘の花形。攻撃や能動防御の判定を行う。 通信科(知):電探や通信をつかさどる。電探や音探による観測、警戒、電子妨害などの判定を行う。 内務科(体):戦闘時、艦の修理や乗員の治療を行う。船内の人事、会計、炊飯もうけもつ。 機関科(動):エンジンの制御、操舵など、艦の機動をつかさどる。追撃判定や回避判定を行う。 *このほか、上陸作戦や敵船の臨検のさいには、各科の戦闘型ゲキをあつめた「陸戦隊」が随時、編成される。その規模や内訳は、司令部の裁量による。PC同士で話し合って決めても良い。 内部構造 護龍の艦内は、いくつかの区画に分けられている。艦種により異なるが、標準的な護龍の区画は以下のとおり。 主砲1、主砲2、対空砲、艦橋、魚雷、電探(上部区画) 機関、居住区、音探、衝角、竜宮(下部区画) ●それぞれの区画は被弾などにより損傷し、固有の「生命」値が減少していく。 ●区画の生命0となると、その区画は機能を失う。 ●固有の生命値をもたない区画は、被弾により、即座に破壊され機能を失う。 ●居住区以外の区画(戦闘区画)には、最低でも1名のキャラクターを配置しないと、機能が発揮されない。NPCでもよいからキャラクターを配置すること。 ●各科の長たるPCは、それぞれの担当する区画のいずれかで直に指揮を取る。出航前に、どの区画で指揮するか、戦闘配置を決めておくこと。 ●居住区と機関部は、水上戦闘においても、被弾によって浸水する。肺呼吸するPCがそこにいる場合、「溺れ判定」を行い、失敗すると溺れる。溺れ判定の難易度は、状況によって、GMが基本ルールのものより難しくしてもよい。 以下に、各科が担当する区画の概要と、その機能を述べる。 司令部の担当区画…… 艦橋:指揮をとる機能をもつ。司令部や操舵室がおかれる。便宜上、戦闘司令室もここに含むとする。装甲値あり。破壊されると主導権判定が行えなくなり、同時に攻撃の命中率が低下する(攻撃用の技能が全て使用不能となる)。 砲雷科の担当区画…… 主砲1〜2:主砲による攻撃機能をもつ。複数あるのが普通。弾薬庫も含む。誘爆判定あり。装甲値あり。 魚雷:魚雷発射管による攻撃機能をもつ。誘爆判定あり。 対空砲:能動防御機能をもつ。小口径の対空砲や機関銃である。水上において対空射撃が可能。 衝角:衝角や衝角翼による攻撃機能をもつ。 通信科の担当区画…… 電探:無線、電探や探照灯による通信および索敵機能をもつ。通信室も含む。 音探:音波探信儀により水中目標を補足したり、音波による水中通信、海底地形の観測機能をもつ。 内務科の担当区画…… 居住区:応急修理と治療の機能をもつ。資材倉庫や医務室が含まれる。戦闘中は内務科以外のキャラクターは不在。浸水あり。 竜宮:大型トモガミを収納し龍魂回路を形成する機能をもつ。破壊されるとトモガミを収納できなくなる。 機関科の担当区画…… 機関:推進および操舵機能をもつ。機関が破壊されると、(他の区画の生命が残っていても)護龍は停止し沈没する。浸水あり。装甲値あり。 上部区画と下部区画 喫水線下にある区画を下部区画、喫水線より上にある区画を上部区画とよぶ。 ●水上戦においては、下部区画は常に水中にあるため、上部区画が全て破壊されるまでは、砲撃は受けない。 ●魚雷などの水中からの攻撃は、(水上戦闘では)必ず下部区画に命中する。 ●水中戦においては、上下区画の区別はなく、全区画が被弾の対象となる。 【護龍区画一覧】 主砲1、主砲2、対空砲、艦橋、魚雷、電探……上部区画 機関、居住区、音探、衝角、竜宮……下部区画 区画ごとの護龍生命値の割り振り 艦の種によっても異なるが、おおむね以下のように生命値が各区画にわりふられている。 主砲……合計20%(装甲区画) 対空砲……0% 衝角……10% 艦橋……20%(装甲区画) 居住区……20% 音探……0% 竜宮……0% 機関……30%(装甲区画) 魚雷……0% 電探……0% 護龍の戦闘 護龍は、複数のキャラクターが乗りこむ戦闘艦である。その戦闘は通常のトモガミ戦闘の規模を、さらに大きくしたものである。基本的な流れは普通のトモガミ戦闘と同じだが、戦闘のそれぞれの局面をうけもつキャラクターが異なる点が特色である。戦闘は、以下の順序による。()内は、対応する護龍判定値。 1.索敵(知)……「通信」科のキャラクターが行う。 2.接敵(動)……「機関」科のキャラクターが行う。 3.主導権(知)……「司令」のキャラクターが行う。 4.攻撃(知または体)……「砲雷」科のキャラクターが行う。 5.防御(体)または回避(動)……防御は「砲雷」、回避は「機関」科による。 6.修理(体)……「内務」科が応急修理を行う。 判定の詳細 上の1〜6のそれぞれの判定の詳細は以下のとおり。 索敵 水上では電探(レーダー)または露天艦橋にて目視で敵艦を発見する。水中の目標や、水中戦闘においては音探(ソナー)で目標を発見する。敵味方の識別も通信科の役目である。平時でも、通信科は、海図にない暗礁を発見したり、灯台を発見したりといった観測全般を行う。 接敵 敵艦に接近し、有効射程内におさめるために行う追撃判定である。追撃判定は、戦闘時以外でも、逃げる不審船の追尾、あるいは敵艦から逃げたいときにも行う。接舷の判定も機関科による。 主導権 通常の主導権判定と同じ。但し、これに勝った艦が、砲戦か魚雷戦のいずれかを選択する決定権をもつ。 攻撃 攻撃判定である。通常は火器によるので対応能力値は「知」だが、衝角戦の場合、「体」による。 防御 近接防御火器を有する場合は、この判定により、敵の砲弾や誘導弾を迎撃できる。その対応判定値は、「知」である。また、衝角攻撃は船体で防御するため、「体」で行う。 回避 魚雷および衝角攻撃に対してのみ、攻撃側の攻撃達成値を目標値として回避判定を行うことが出来る。 応急修理 被弾した場合に行う。ファーグニル風にいうとダメージコントロール。被弾により護龍は各部の機能を失うが、修理に成功すれば機能が回復する。また、被弾箇所によっては、直ちに修理をしないと護龍は沈没してしまう。 被弾・誘爆・沈没 ●被弾した場合、GMは2Dをふり、下の「被弾表」の区画番号2〜12に応じて被弾箇所を決定する。 ●砲戦の場合、砲弾は上部区画にしか命中しない。よって、GMは1Dをふり、上部区画のみ被弾の対象とする(1が出たら砲弾は装甲にはじかれ、被害が生じなかったものとする)。 ●砲戦においても、上部区画がすべて破壊されたら、砲弾は下部区画にも命中するので、上部区画が壊滅した後は、2Dをふって2〜12番までを適用する。 ●装甲区画に被弾したら、護龍各部の装甲値を、武器の「破壊力」から減じる。護龍は集中防御方式をとっているため、すべての区画が装甲されているわけではない。 ●主砲に被弾し、装甲が貫通されて生命値が減少した場合、誘爆が発生する。「体」護龍判定値で、難易度10の判定(誘爆判定)を行うこと。失敗した場合、GMは、2Dをふって被弾表の結果を適用すること。その区画に、主砲破壊力に等しい爆発が生じる。誘爆した区画が、主砲または魚雷だった場合、さらに誘爆判定を行うこと。 ●魚雷に被弾した場合、誘爆が発生する。「体」護龍判定値で、難易度10の判定を行うこと。失敗した場合、GMは、2Dをふって被弾表の結果を適用すること。その区画に、魚雷の破壊力に等しい爆発が生じる。誘爆した区画が、主砲または魚雷だった場合、さらに誘爆判定を行うこと。 ●被弾あるいは誘爆により、装甲が貫通されて区画生命値が減少した場合、その区画にいるキャラクターが重要なNPCまたはPCなら、爆風判定を行うこと。対艦戦闘につかわれる兵器は火力が高いため、護龍に乗っているキャラクターは、その爆風によってダメージを受ける可能性が高い。 ●全区画の生命値が0となるか、機関区の生命値が0となった場合、護龍は爆発し沈没する。艦長は、「総員、最上甲板」を指示し、乗員を離艦させること。乗員の脱出の難易度は、体力・体、または、技術・動で難易度10である。失敗すると沈没に巻き込まれる。ダメージはGMが適宜決定すること。 被弾表
戦域の決定 ●水上戦では、主導権判定に勝った艦は、「砲戦」「魚雷戦」「衝角戦」のいずれかを行う決定権を有する。 ●水中戦では、主導権判定に勝った艦は、「魚雷戦」「衝角戦」のいずれかを行う決定権を有する。 ●砲戦では、主砲または対空砲によって砲撃を行う。砲撃は水中では行えず、洋上での戦闘のみに使われる。砲弾は安価で、また対艦戦闘だけでなく、対地砲撃や威嚇射撃などもできるため、汎用性が高い。 ●魚雷戦は、砲戦よりも敵に接近する必要があり、また砲弾より弾速が遅いため、回避される可能性が高い。しかし命中すれば、喫水線下の居住区や機関部を直撃するため、破壊力が極めて大きい。また水中では砲戦は行えないため、魚雷戦が主軸となる。高価なのが難点。 ●衝角戦は、艦の白兵戦兵器で敵を直接、攻撃するという特殊な戦い方で、敵に最も接近しなければならないため、それまでに敵の攻撃を被弾する危険性が最も高い。しかし、竜紋をもつ敵に対してはきわめて有効である。 水上戦闘・水中戦闘 護龍は、潜水艦と水上戦闘艦の機能をあわせもち、いずれの局面においても高い性能を発揮する。これがファーグニル艦艇に対する強みとなっている。 ●敵との遭遇時に護龍がいる戦域により、自動的に、水上戦か水中戦になるかが決定される。例えば、敵発見時に水上で行動していたならば、水上戦となる。戦闘開始後に、あらためて浮上したり潜水したりすることはできない。浮上や潜水には、一定の時間がかかるためである。 ●水上戦闘においては、最初は上部区画のみに砲撃が命中する点に注意。また、水中戦闘では、最初から上部および下部区画の全区画が被弾の対象となる。 ●護龍武魂 |
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