『REAR WINDOW』、1954年、113分
製作・監督;アルフレッド・ヒッチコック、
脚本;ジョン・マイケル・ヘイズ、
原作;コーネル・ウーリッチ(ウィリアム・アイリッシュ)、 撮影;ロバート・バークス、
美術;ハル・ペレイラ&ジョゼフ・マクミラン・ジョンスン、 音楽;フランツ・ワックスマン

  仕事中の事故で片脚にギブスをはめて車椅子に座ったきりの報道カメラマンのジェフリー
(ジェームズ・スチュワート)は、退屈まぎれに二階のアパートの自分の部屋の裏窓から中庭
の向かい側のアパートの住人たちを観察し始める。
そのうちに、向かいのアパートの住人の一人が妻を殺したらしいことに気が付く。ジェフリー
は、そのことを看護婦のステラ(セルマ・リッター)やファッションモデルをしている恋人の
リザ(グレース・ケリー)、更には友人のドイル刑事(ウェンデル・コーリー)に話してみる
のだが、誰も信じてくれないのであった。
 しかし、それから起こるいくつかの出来事が殺人の事実を裏付け、彼の推理が正しかった
ことを証明する。だが、犯行を覗かれていたことに気付いた犯人(レイモンド・バー)は、
車椅子で身動きの不自由なジェフリーを亡き者にしようと襲ってくるのであった・・・・・・。

 コーネル・ウーリッチの原作短編を、水曜日から土曜日のクライマックスまでの4日間という
短い時間と限られた空間の中で、適度なユーモアとお色気をまぶしながらグイグイとサスペンス
を盛り上げていく手法は、まさにヒッチコック監督ならではのものであり、人間の"覗き見心理"
を巧みに利用したサスペンスドラマに、程よいお色気とロマンチックな味付けをしています。
 主人公のジェフが車椅子に座って眺めている向かいのアパートの住人たちの生活が、実に生き
生きと描かれています。売れない作曲家の苦悶ぶり、恋人のいない淋しさを二人分のディナーを
作ることで紛らわせる女性(ジェフは"ミス・ロンリーハート"と名付けている)、窓を閉めっぱなし
の新婚夫婦、といった複数のドラマが同時進行していくという手法は見事なものです。
 主演は、ケーリー・グラントと共にヒッチコック監督作品4作出演で、『ロープ』(1948年)に
続いてのジェームズ・スチュワート。ほとんど座っているか横になっているかの演技だが力演。
 『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)に引き続き出演の、恋人役のグレース・ケリーは、華やかな
ファッションに身を包んで輝くばかりのあでやかさで、ラブシーンも細やかで大変よろしいです。
 後にTVドラマシリーズの『弁護士ペリー・メイスン』や『警部アイアンサイド』で正義漢を
演じたレイモンド・バーは、ここでは大きな目をぎらつかせて憎々しげな悪漢を好演しています。
 看護婦役のセルマ・リッターもスチュワートとの会話が軽妙で、名脇役の面目躍如の好演です。
"ヒッチコック監督の最高傑作"との呼び声もあるミステリ映画の傑作を是非お楽しみ下さい。

裏 窓
2005年4月 記