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かずよさんの『中国今昔玉手箱』
第五十五回 運動公園 ![]() 日本にもあると良いのに、面白いのに、と思うものが中国にもあります。
その一つは、街のあちこちに設置されている、運動公園。 住宅地区の中にある公園ですと、子供が遊ぶ場所、というイメージが日本にはありますが、中国のそれは、どちらかと言うと大人サイズのアスレチック遊具が設置されています。どこかの通信販売の宣伝で見るような、腕と脚を同時に動かしてその場歩行が出来るようなものや、ツイスト運動が出来るスタンド、腹筋、背筋を動かす遊具・・・が据えられていて、以前から気になっていました。 研修で北京に滞在した時、宿の裏手にある、某機関の職員居住区内にその運動公園を発見したので、中に入ってみました。そこはランニング用トラックの縁取るように遊具が配されており、その気になればサーキット・トレーニングが可能なタイプ。全ての運動を行うと、かりの運動量になるはずです。 私も、朝の集合時間を気にしながらトライしてみました。 中には結構な筋力、動きを要求される遊具もあり、普段何もしていない方には使いこなせるかな、というものも。 設備の安全面が気になりましたが、各自の体調体力に合わせて事故無く利用出来れば、案外楽しい空間です。 実際、私が軽く汗をかいていた時、トラックでは丸く出たお腹を揺さぶりながら、男性がランニングをしていましたし、中学生くらいに女の子二人組が、ジム代わりに運動していて、ほほ笑ましかったです。 よその公園では、テーブルの台がソロバンになっていて、計算ゲームが出来るようなものを見かけました。身体を動かすにはちょっと、というお年寄りでも、頭の「運動」が出来る訳です。 ![]() 遊具の種類も豊富。大人向けとは思えないような黄、青、赤、紫、水色・・・とカラフルで可愛らしい色彩が施されています。デザインもユニークで、公園ウォッチングもなかなか面白いもの。 子供だけだとどんな災いが起こるかと、今や安心してオチオチと遊びにも出せない風潮となって久しい日本。地域の人々とのコミュニケーション上も、大人が足を運び易い子供の遊び場作りは有効かな、と思いました。 日本では近年、プールや運動施設の危険度や耐久性のチェックを怠ったために生じた事故が多発していて、残念です。こうした点に注意して中国版運動公園を、日本にも取り入れてみてはどうでしょうか。 ・・・以下続く。 (2008.5.12)
第五十四回 ブーム 80年代の半ばに、初めて中国を訪れた時の印象その一。「みんな、痩せているなぁ」。既に何度もお話しているように、この頃は中国に対する理解度が、現在よりずっと低かった私。 例えば、ひょっとして食糧事情が・・・という風に、国情や背景を見据えて考える、とか斜に構えて物事を見る、といった思考能力、応用力も大いに欠けていたので「中国茶飲んで自転車をこいでいるからかなー・・・」なんて能天気に考えていた当時を、懐かしくも恥ずかしく思い出します。 さすがに歳を重ねた分、私ももう少し知恵が付いていれば良いのですが。 さて、90年代末に、数年ぶりで北京を訪れた時の印象その一。「デブが増えたなぁ」。 特に太った子供が目立ったのには驚きました。 中高年にもなれば新陳代謝の衰えのせいもあるだろうけれど、子供の肥満はちょっとねぇ、です。 当初からその弊害が騒がれ、しかし今やすっかり定着した一人っ子政策と、生活全般が豊かになった結果、なのでしょうか。 そんな中国も、現在は健康ブーム。 都会では日本と同じようなスポーツジムもありますし、ヨガやティラピスの教室も人気があると聞いています。 健康や減量を意識した食品も多いですし、ダイエットなんて、20年前の中国では恐らく概念すら理解出来なかった、必要の無い言葉だったのではないかと思うと、感慨深いものがあります。 ・・・以下続く。 (2008.3.6)
第五十三回 春節 民族大移動 2 ![]() 北京時代、春節に雲南省を訪れたことがあります。 大学が主催する旅行団に参加していた私は、数人の有志と共に途中で離団、更に奥地を目指す旅に出ました。 何せ休みは一月もあるのです。折角こんな遠くまでやって来たのだから、この機を逃すテはありません。 その折、省都・昆明から西双版納(シーサンパンナ)へ移動するのに当初飛行機で、と考えていた所、チケットは当然ながらソールド・アウト。当時は未だ鉄路は無かった時代で、やむなくワゴン車をチャーターし、片道一泊二日で目的地に向かったのでした。 昆明から西双版納までは、飛行機で行けば1時間ですが、車ではグネグネとした山道を、幾つも越えて行かねばなりません。 一日では到底行き着かないので、途中見知らぬ田舎町で一泊。 何があるという所でもなし、と夜は早めに床に就くと、何やら表が騒がしい。何事かと出てみると、新年を祝う行列が出発するところでした。 灯りが掲げられ、太鼓や爆竹が派手に鳴る中、海の精に扮した子供、龍踊り・・・と続きます。 ![]() 間違い無く手作りの衣装や小道具で、老若入り混じっての行列は、とても活き活きとして見えました。観光向けの人寄せ的なものと違い、中にはくわえ煙草のまま参列しているおじさんもいたりで、気取らない様が却って自然でした。 町の人々が皆で新しい年を祝う素朴さに、住民らの手作りらしさがあって、良いものを見ることが出来ました。 ・・・以下続く。 (2008.2.14)
第五十二回 春節 民族大移動 1 ![]() 日本では暮れもお正月も済んだばかりの頃、上海に駐在している友人が言いました。 「これから旧正月まで約1ヶ月、いよいよ年末。日本式の新年会と、中国式の忘年会の時期になります」。 何だかヘンな感覚、と日本人の彼は言いますが、私にしてみれば、お正月が2回も迎えられてメデタイじゃないの、です。 しかもこの春節期間は、およそ一ヶ月は全国的にお休みモード。駐在員も多少はその「恩恵」に浴せる筈です。 本国への一時帰国で羽を伸ばすのもよし、中国から海外旅行へ、というリッチな体験も可能です。 尤もビジネス上では、中国側の担当者がつかまりにくいなどの不便さも、ある程度認識しておかねばなりませんが・・・。 春節は、それだけ中国の人々が一年で最も楽しみにしているお休みなのです。 学生も「春暇」という長期休暇になりますし、会社や工場等、都会に働きに出ている者も、多くは帰省して家族と共に新年を祝うので、文字通り民族大移動となります。 勿論都会でも、例えば北京では、廟会(ミャオフイ)という縁日が街中で何箇所も出て、屋台、見世物小屋・・・、と昔の雰囲気を味わうことが出来ます。 そういう訳で、私たちがウッカリこの時期に中国への自由旅行を計画すると、宿や交通手段の確保に難儀するなど、何らかの影響を受けること必至です。 しかしその反面、普段では見られないようなシーンを目にするかも、という楽しみもある、ということなのです。 ・・・以下続く。 (2008.2.3)
第五十一回 奥運 ![]() 2008年は、オリンピック(奥運)が、いよいよ北京で開催されます。 オリンピック開催よりさかのぼること3年前の冬、北京旅行で落ち合った中国の友人へ連れて行って欲しいとリクエストした場所に、北京オリンピック開催予定地がありました。 立ち退きが完了したばかり、という風情であまりに何も建っていない空き地が一面に広がっているだけの場所。こんな何も無い所へ行きたいだなんて変っているな、と友人は思ったかも知れません。 が、恐らくはついこの間まで、ここに住んでいたであろう人びとの暮らしを思うと、何の関係もない私ですら、それなりに思う所があります。 現場では、予定地の周りを遠く囲むようにして、高級そうなマンションがポツリポツリと建っているのが見えました。こうした物件は、投資目的で完成前から予約が殺到しているとかで、売れ行きも上々だとか。 次回ココに来ることがあったら、その時は絶対に見られない光景。貴重です。折角来たので、だだっ広い敷地内の道路を、ただ真っ直ぐに車で走って貰いました。 ![]() 何も建っていないのでつい「これでオリンピックに間に合うのかね」と独りごちたのを聞いていたらしく、友人が「ダイジョウブ。2年後には完成します」と応答。何故か断言口調だったのが面白い。 友人の言に従うと、オリンピック本番の一年前には施設がほぼ完成している計算になりますが・・・。 オリンピックに向けて、街中一丸となって建設ラッシュの北京。いずれにしても、平和な世の中でないと出来ないことです。 建設の背景には立ち退きや公害発生も懸念されますが、やるからには素晴らしいイベントになったらいいな、と思っています。
・・・以下続く。 (2008.1.2)
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