刃物その壱

「工具とは、まずは刃物とみつけたり」ということで、刃物からおっぱじめることにしたいと思うのですが、はてさて、その中で最初に何を取り上げるか、しばし沈思黙考、熟慮の果てに得た結論は、

「のこぎり」

なぜかって? そりゃあ、あなた、プラモデルとか出来合の組立家具を組み上げるのならいざ知らず、本格的工作人としては、まずは板なり棒なりの素材を買ってきて、ともかくも所定の寸法に切り出すのに必要なのがこれ。一番最初に必要な工具が「のこぎり」というわけです。

で、例によって例のごとく、まずは定義からといきたいところですが、辞書をひいたら、これがまた予想以上の大収穫。始めると長くなりそうなので、こっちにまとめて書いておきます。ご興味のある方も無い方もぜひご覧になってみてください。

あ、それから、もちろんのこと、技術的知識関係の蘊蓄も、無くてはならぬ情報ですので、こちらに参考になるかもしれないリンクなどをまとめておきました。

というわけで、本題です。

使い方の工夫などは自己流です。もし、もっといい方法や間違ってる点などあったらご教示ください。

両刃鋸

説明する必要はありませんね。

25年ほどつかってるので切れ味が落ちてきました。そろそろ目立てをしなければと思うのですが・・・中学校の技術家庭科で目立ての仕方を習った覚えがありますが、いまでも教えてるのかな? 

むかしは荒物屋さんなどを覗くと鋸の目立てをやってたりして、よくそばで見ていたものですが、今は鋸の目立てなんて、普通にはやらないんでしょうねえ。

廻し挽き鋸

曲線を切るための和鋸です。

30年前、中学生の頃、はじめてトライしたNゲージレイアウトにターンテーブルを組み込もうと、ベニヤ板に穴をあけるために買ったものです。

あのレイアウト、結局、線路も機関車も買うお金が無くて、ベニヤに鉛筆でプランを書いただけで挫折したんだっけ。今となってはいい思い出です。

弓鋸

金属素材などのおおまかな切り出し、竹材や鉛ブロックの切断などに使います。

近所のホームセンターで格安で購入。一般金属用とアルミ等非鉄金属用、プラスチック用の3種類の刃がついていましたが、要は鋸目の粗さが違うだけのようです。

早速鉄パイプを切ってみた(決して戦闘用ではありません、折り畳み椅子を燃えないゴミに出すために分解しなくちゃならなかったというわけ)のですが、すごい摩擦熱?で、すぐ刃がなまりそうだったので、台所にあったサラダ油をつけたら、一気に仕事がはかどりました。本当は専用の切削油などがいいのでしょうが、手鋸の場合は、とりあえずはどんな油でも十分実用になるようです。

金工用糸鋸

真鍮などの金属を切るのに使います。模型工作用の本命です。特に鉄道模型なんてのをやってると、これがなくてははじまりません。

弓は上が最初に手に入れたもので調節式ですが、この機能を使ったことはありません。下は新しく買った単純なもので軽くて使いやすいけれど値段が2倍もしました。

刃はバローベというメーカーの#000のみ。これで0.3mm厚から1.5mm厚の真鍮板、洋白板まで、ちょっとしたコツさえのみこめれば、まるでバターでも切るようにスムーズに切断することができます。

工作の能率や精度などを考慮し、切る金属の材質や厚さによって刃の粗さを替えるのが本当なんでしょうけど、アマチュアの工作では手間の点からも費用の点からも、実用上は#000一種類で十分です。

刃の保管には、写真のようなケースを使っていますが、以前は筒型のお菓子のプラスチックケースを利用していました。

刃を替えるたびに張りの強さが変わると切れ味の調子が狂ってしまうので、刃を取り替えるときに弓を一定の割合でたわめるために、セロテープで長さを固定したターンバックルを使っています。

刃の締め付け蝶ネジは、キャップスクリューにすると邪魔にならないし、レンチを使ってしっかり締め付けられるというアイデアもありますが、私はオリジナルのままプライヤーで蝶ネジの耳をつかんで締め付けてます。

糸鋸を使う場所はこのとおり。工作台に切り込んだ溝を利用し、必要に応じてクランプで材料を止めて切り進みます。引き出しを利用してキリコ受けにしています。部屋をよごさないため、掃除をらくにするためにこういう工夫は大切だと思います。

また、切削油のかわりに、ロウソクのロウを刃にこすりつけて使うと、引っかかりも少なく大変スムーズに切り進めます。切り始める前にロウソクをひと切りするのがくせになります。

実際の切り方のテクニックなんかは、鉄道模型関係のHPや技法の本に詳しいので省略します。

レイザーソー

みてのとおりの精密加工用?鋸です。糸鋸刃でいえば#00くらいの歯で、写真に見えるアルミ製のガイドをつかって、材料を垂直または45度にカットすることが出来ます。模型工作では車両の切り接ぎをしたり、幅をつめるのに唐竹割りしたりするのに重宝します。糸鋸と同じくロウソクをつかうとかなりスムーズに作業が出来ますが、木材の場合はあとで木工ボンドが効かなくなるので注意が必要です。

カッターナイフソー

カッターナイフのホルダーに納められる鋸です。便利かなと思って買ったのですが、かなり歯が粗いし、ぐらぐらするのであまり使いよいものではありません。アイデア倒れの典型みたいなもので、失敗した買い物の一つです。

以上、まあ、どこにでもあるような普通のものしか持ってませんが、いちおうこれで十分といえば十分な工作ができます。

欲を言えば子供たちも欲しがっている電動糸鋸を導入したいですね。きっちり垂直な糸鋸挽きができますから、きっとおもしろい木工工作など出来るでしょうが、おく場所も資金も無いのであきらめています。

2001.8.14

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● 蘊蓄

まずは「刃物」からです。

目的が目的ですから「広辞苑」の方が適当なのはわかってるのですが、やっぱり受けをねらって、まず「新解さん」をひいてみることにしました。

はもの【刃物】刃が有って、物を切ったり削ったりする道具。ほうちょう・ナイフなど。「気違いに一」【一三味ざんまい】やたらに刃物を振り回して、あばれること、また、そういう癖の有ること。

なるほどねえ、「癖の有る」ねえ。

で、本命の「広辞苑」では、

は‐もの【刃物】刃がついていて、物を切断したり、削ったりするのに用いる道具。庖丁・小刀の類。きれもの。「―を振り回す」、「気違いに刃物」危険のきわめて多いことのたとえ。
はもの‐さわぎ【刃物騒ぎ】人を殺傷しようとして刃物を振り回すさわぎ。
はもの‐ざんまい【刃物三昧】何かというとすぐ刃物を振り回したがること。
はもの‐し【刃物師】刃物を製造する人。
はもの‐だて【刃物立て】刃物を持ち出して争うこと。
はもの‐わざ【刃物業】刃物を振り回すふるまい。

というわけで、私はやっぱり、こっちのほうが好みです。

それはともかく、肝心の「のこぎり」ですが、「新解さん」を一生懸命あちこちひっくり返して探し回ったのですけど、関連する言葉がちょっとしかない。

のこ【鋸】「のこぎり」の略・「一くず・一歯・糸一」

のこぎり【鋸】木材などのほか、堅い素材をひききる工具。鋼板に多くの刃を刻み、柄をつけたもの。「一歯」[数え方] 一本・一挺・一丁

のこくず【鋸屑】おがくず。

いとのこ【糸鋸】(←糸のこぎり)板の中をくりぬくときに使う、薄刃で細身ののこぎり。刃は弦状に張る。[数え方] 一本

おびのこ【帯鋸】(←おびのこぎり)刃のついた鋼鉄の帯を回転させて物を切るのこぎり[数え方] 一挺・一丁

きょし【鋸歯】のこぎりの歯「一状」

ね、これだけ。それになんか、欲求不満がたまりそうな語釈でしょ?糸鋸はくりぬくときだけに使うんじゃないですよね。

ちなみに「広辞苑」では

いと‐のこ【糸鋸】挽(ひ)き抜いたり曲線に切ったりするのに用いる薄刃の細い鋸。→弓鋸(ゆみのこ)

ゆみ‐のこ【弓鋸】弓形をした支持枠に細い鋸歯を張った鋸。その歯が糸のように細いものを特に糸鋸(いとのこ)という。

となってます。

で、肝心の「のこぎり」は、どう書いてあるかというと、

のこ‐ぎり【鋸】木材・石材・金属・氷などを切るのに用いる工具。薄い鋼板の縁に多くの歯を作り、その全体に焼入れをして硬い刃とする。木理(もくめ)に沿って切るものを縦挽鋸(たてびきのこ)、木理と直角に切るものを横挽鋸(よこびきのこ)、唐木細工その他の小細工に用いるものを散目鋸(ばらめのこ)という。手に持って使用する手鋸、機械による機械鋸がある。「のこ」と略す。
―‐あきない【鋸商い】‥アキナヒ
―‐がま【鋸鎌】
―‐くず【鋸屑】‥クヅ
―‐ざめ【鋸鮫】
―‐そう【鋸草】‥サウ_
―‐ば【鋸歯】_
―‐ばば【鋸婆】_
―‐ばん【鋸盤】_
―‐びき【鋸挽】_
―‐やね【鋸屋根】

うーん、知的好奇心が満たされる喜びのようなものを感じませんか?私の思う限り、いちおう内容も技術的に正確だと思います。「新解さん」は「鋼板に多くの刃を刻み」「【帯鋸】刃のついた鋼鉄の帯」だもんなあ。「新解さん」は、すくいがたいほど理科系、技術系、つまり科学的思考・論理に弱いようです。

熟語はすべて引用したいのですが、作業が大変ですし膨大になりますので、興味深かったものだけ抜粋しようと思ったのですが、結局はほとんど書き写すことになってしまいました。

のこぎり‐あきない【鋸商い】‥アキナヒ(鋸は押すと引くとを交互にするからいう) 商売上の駆引を巧みにして、進んでも退いても共に利を得るあきない。また、その商人。転じて、両方の相手から利を得ること。永代蔵四「さす手引く手に油断なく、―にして」

へえー、こういう言葉があったんだ

のこぎり‐ざめ【鋸鮫】ノコギリザメ科の海産の軟骨魚。体は背部暗灰色、腹部白色。体長約一・五メートル。吻(ふん)は特異な形に伸びて平たく、縁に一列の鋭い歯が並び、中央下面には一対の長いひげがある。東シナ海に多い。かまぼこの原料。ダイギリザメ。_[図]のこぎりざめ

のこぎり‐そう【鋸草】‥サウキク科の多年草。山地に自生するが、観賞用に栽培。高さ八○センチメートル内外。全体に軟毛があり、葉の縁は鋸歯状に細かく深裂。夏、白色の小頭花を開く。花は淡紫色・紅紫色がある。なお、同属のセイヨウノコギリソウ・キバナノコギリソウは、園芸上、属名のアキレアで通称され、観賞用に栽培。羽衣草。_季・夏_[図]のこぎりそう

図をみればわかるようなことまでしっかりと、検索表の記述のように書いてあるところがなんともいえませんが、辞典たるものは、こうでなくちゃという気がしないでもないです。

のこぎり‐ばば【鋸婆】(双方から利を取るからいう) 「すあいおんな」のこと。

なんじゃ、この「すあいおんな」ってのは?

のこぎり‐びき【鋸挽】鋸で首をひき切る刑罰で、最も残虐な極刑。戦国時代に行われたことが多く、江戸時代には主殺しの罪人に科した。両肩に傷つけ、その血を鉄鋸・竹鋸に塗って二日間晒(さら)し、行人に随意にその頸を挽かせ、引き回しの上、磔(はりつけ)に処した。

たけ‐のこぎり【竹鋸】罪人の首を斬るのに用いた竹製ののこぎり。

とう‐きょ【刀鋸】タウ‥かたなとのこぎり。ともに昔の刑具。転じて、刑罰の意

うーむ、この項目の選び方に「新解さん」とは別の意味でのこだわりがそこはかとなく感じられます。しかし、極めつけは、これ。

きょ‐せつ【鋸屑】のこぎりくず。おがくず。よどみなく論説するさまのたとえ。

ごぞんじでした?こういう表現があったんですねえ。私はすなおに感動いたしました。

あと、いろいろ鋸の種類関係の言葉が有りましたが、見出し項目のみ記しておきますので、ご興味のある方はご自分でひいてみてください。

お‐が【大鋸】、おび‐のこぎり【帯鋸】、かまち‐のこぎり【框鋸】、きかい‐のこぎり【機械鋸】、くさび‐のこぎり【楔鋸】、はなきり‐のこ【鼻切鋸】、ひききり‐のこぎり【引切鋸・挽切鋸】、まる‐のこ【丸鋸】

ところで、このほか「刃」のつく四文字熟語で「刃傷沙汰」というのがありますが、この言葉については余談があります。ご興味のある方はこちらをどうぞ。


● 「のこぎり」に関する技術的情報と参考リンク

こういう関係の情報は、ネットでしらべるのが一番です。せめて、話の種に手引き鋸の規格くらいのことは記しておこうかともおもったのですが、すでに綺麗にまとめられた情報を見ると、いまさら、という気がして、結局参考になりそうなリンクを紹介するのが一番だという結論に達しました。

その他、いろいろと目についたページも示しておきますので、訪ねてみてください。

鋸について
 河合のこぎり店の鋸の種類、構造、使い方についての解説ページ。大変参考になります。

鋸はこうしてできる
 三条鍛冶の技のページです。鋸の製法について写真で紹介されています。
ほかにもいろいろな刃物について製法、使い方など、大変参考になるページがそろっています。

久保田工業株式会社
 のこぎりのメーカーです。鋸の豆知識、鋸の材料、鋸を作る、等のページが参考になります

会津の(のこぎり)鍛冶屋
 伝統的な会津鋸の製作法などが紹介されています。

Woody House の ミシン木工
 糸のこ盤で作る木工。詳しい道具の説明などが有ります。

のこぎり、ノコギリ、Musical saw !
 鋸を楽器にして演奏しています。


付け足し参考

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手引きのこぎりの日本工業規格(JIS)
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<木材用手引きのこぎりの鋸身分類>

「手伸び鋸(がんどう)」=横引き用
「手曲がり鋸」=横引き用
「両刃鋸」=横引きと縦引き用
「片刃鋸」=横引きと縦引き用
「胴付鋸」=横引き用
「船匠鋸」(船大工)=横引きと縦引き
「先丸鋸」=横引き用
「枝引き鋸」=横引き用
「回し引き鋸」
「洋形ハンドソー」=横引きと縦引き
「洋形両手引き鋸」=横引きと縦引き

<鋸身の材料>

JIS規格のG4401のSK5もしくは6、又は4で、次に規定する品質と同等以上の品質になるもの。ただし「柄」に差し込まれる部分の材料については特に規定はない。

1 有害なきず、割れ、さび、まくれ、ねじれやその他の欠陥がなく、仕上げが良好なこと。
2 鋸身に差し込まれる部分と、結合部分は強固であること。 
3 寸法はL(刃渡り寸法)の許容差は+-3%、B(鋸身の幅)の許容差は4%。厚さ比は(先刃の厚さ/元刃の厚さ)が0.65以上1以下、首部(首部の厚さ/元刃の厚さ)が1.35以上、すき削り(すき削りの最小厚さ/元刃の厚さ)が両刃0.4以上、0.85以下、その他0.2以上0.8以下。
4  切れ味は良好であること。
5 アサリは左右交互に均一であること。 
6 鋸身の厚さは刃部から背部に向かうに従い、又鋸身の先端に向かうに従って薄くすき削りしてあること。 
7 目立ては本目立てであること。 
8 鋸身の固さはHv530以上で、洋形はHv470以上。 
9 鋸身は内角120度に曲げたとき、各部に異常がなく、又これを元に戻したとき、原形に復すること。

手引き鋸の「柄」の材料は「きり」、もしくは「ヒノキ」、洋形鋸や枝引き鋸は、「ぶな」か「さくら」、両手引き鋸は「かし」を使用するのが一般的。近年は新素材の開発と、技術革新で軽金属のボディーを樹脂で一体成形した画期的な「ハンドル」が生産されている。


● 余談

ターンテーブル

転車台のこと。蒸気機関車などの方向を転換するために使われる施設。浅くまるい穴の中に鉄橋状の構造物を配し、この上に機関車をのせ、回転させて方向を転換します。こんなのもあります。

バローベ

外国製の糸鋸刃のブランド名です。

ほかにヘラクレス、アンテロープなどというブランドや国産メーカーのものもあり、それぞれに特徴があるようですが、手元に、バローベの#000の買い置きが大量にあるので、最近はこればっかりです。

昔は外国製の良質な金工用糸鋸刃はすごく高価で、引っかかって折れたりすると涙が出そうになったものですが、最近は値段も安く、手に入りやすくなりました。東急ハンズなどでもいろいろなブランドがそろいます。

上手な人はほとんど刃を折ることはないというのですが、私はこれをばきばき折りながら工作を楽しんでおります。

#000

糸鋸の刃は、1番から番数が大きくなるほど刃が粗くなり、1番より下の番数は0番、00番、000番と0の数が増えるほど細かくなります。

厚さ0.3mmから1mmくらいの真鍮板を切るなら、000番一種類で十分間に合いますが、0.3mm以下は、0000番かそれ以下のほうが引っかからなくていいでしょう。

00ナンバーの話がでたついでに、かの有名な英国諜報部員「007」のことを、ひとくさり。

「007」って、正式には「ぜろぜろせぶん」じゃなくて「だぶるおーせぶん」と呼ばなきゃいけないんですが、その理由は、なんと、遙か昔、中世ヨーロッパにまで溯ります。

かの時代、水晶玉や魔法の鏡による占いや千里眼などの神秘的な能力をもつ男が各地を巡歴して歩き、失せものを探したり、犯人を捜索したりしたということで、宮廷ではしばしばそのような能力者をお抱えの魔術師として雇っていました。

その手の魔術師としてもっとも有名なのは、16世紀のイギリスでエリザベス女王に使えたジョン・ディーで、かれはこの能力を利用して諜報活動を行っていたのです。エリザベス女王は彼の水晶玉を利用した透視能力を高く評価して彼に「目玉」というニックネームを与えました。

そこでジョン・ディーは、自分の署名をするときに、まず目玉を表現する○を二つ書いて、その後に、自分のラッキー・ナンバーにしていた数字の7と書いた。つまり「007」とサインしたのです。

これがジェームス・ボンドの「007」の起源である、というお話でした。

お菓子のプラスチックケース

素材売場でプラスチックのパイプなどを買うと結構な値段がしますし、加工が大変です。その点お菓子のケースははじめからちょうどいい大きさですし、きっちりしまる蓋までついているわけで、小さな部品や材料の保管には最適です。

わたしなんか、一時はケースほしさに、子供にお菓子を大量に買い与えて、我が最愛の妻からさんざんしかられ、口もきいてもらえなくなってしまったことがあります。

おすすめは、ケースが透明なカバヤ「ジューC」とか「チョコベビー」(普通サイズ、特大サイズあり)、それから紙筒ですが「マーブルチョコレート」などです。

「チョコベビー」は蓋の構造などから、大量に使う小さなパーツや粒状の材料の保管には最適です。普通サイズのほうは単三電池4本がきっちりおさまり、スペア電池用ケースとしても重宝しています。

キャップスクリュー

こういうネジです。六角棒のレンチで締め付けます


まるでバターでも切るようにスムーズに切断することができます。

小学生の頃、模型雑誌の電車制作記事に「糸鋸で真鍮板を切る」と書いてあったので、糸鋸で金属が切れるのかと驚き、さっそく近くの荒物屋で真鍮板を買い、学校の工作の時間に使ってる木工用の糸鋸を用意して、わくわくしながらとりかかったのですが・・・

結果は当然ながら、文字通り全く歯が立たず、困って真鍮板を買った荒物屋のオヤジに相談したら、「そらそうや、真鍮を切るんは金鋸や!そやけど万力に挟んでたがねと金槌でたたき切るほうがもっと簡単でええど」という、自信たっぷりの助言。

そんな乱暴な、などとは夢にも思わず、でっかいたがねを買い求め、結局真鍮板は、ぐにゃぐにゃのがたがたになってしまってチョン。

「模型雑誌はなんでこんな嘘かくんや?」と一時は不信のかたまりになりながらも、それでも模型工作が嫌いにならなかったのは、神の思し召しか、仏様の御慈悲か、いまさらながらの感慨にふけってます。

思えば、やすやすと鋸の目立てをやってのける荒物屋のオヤジさんでも金工細工用の糸鋸なんてその存在すら知らなかった、のんきな時代のおはなしでした。

「刃傷沙汰」余談

刃物のついでに刃のつく四文字熟語で、「刃傷沙汰」というのがあります。「にんじょうざた」と読むんですが、これで、かなりまいったことがあります。

たまたまのことなんですが、美人でスマートで教養高く若くしてそれなりの地位にある立派な女性と親しくお話をさせていただける機会がありまして、そのとき、なんの話題か、「きをつけないとね。"にんじょうざた"も結構ふつうですから」という言葉が出た後の会話の流れがどうもおかしい。

どうやら、彼女、「人情沙汰」と理解したんですね、そういう言葉があるのかどうか知らないけど。

いやはやその後、この自意識過剰で押しつけがましくその上一歩間違えばヒステリーか逆恨みをしかねない厚化粧の遣り手ババア、もとい、美人でスマートで教養高く若くしてそれなりの地位にある立派な女性の体面を傷つけずにフォローするのに、難儀したこと。

結局、彼女、「刃傷沙汰」なんて言葉を理解するほどの文化的文学的素養もその他の常識も大いに不足しているということが、はからずも、あとあとの会話の展開で判明してしまったのですが、こういうのが女性というだけで、ちやほやされて幹部になってしまっているという日本の組織社会の不思議を感じた経験でありました。

ま、実際のところは男性でもそういうタイプはごろごろいるので、日本的組織社会?の特徴なのかもしれませんね。なんにしても、直接利害関係のない方でよかった、というのが本音でした。

あ、ついでにですが、こういうの、桂米朝師匠の落語で聞いたのですが、ごぞんじですか?

とかくおんなは扱いにくい。
しかればすねる。怒れば泣く。
ほめておだてりゃつけあがる。
いっそ殺せば化けて出る。

うまいこといわはるなあ、でも、まかりまちがっても、女性の前ではいえへんなあと感動した一節でした。でもこれ、ほんとに女性が嫌いな人だったら、決して出てこないせりふかもしれませんね。