| 離婚 Q&A |
| 「離婚」って? |
| 1 |
Q |
離婚するには、どうすれば良いですか? |
| A |
まず、夫婦間の話し合いによって離婚をすることが考えられます(協議離婚)。
協議が成立すれば、双方で離婚届用紙に署名捺印し、さらに第三者に証人として署名捺印してもらって、役所に提出すれば、離婚は成立します。 |
夫婦間の離婚の協議が調わない場合、または、協議ができなような場合には、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てることになります。
調停とは、家庭裁判所において、民間から選ばれた調停委員が間に入り、夫婦間の話し合いを進めていくというものです。調停による話し合いで夫婦間に合意ができれば、離婚が成立します(調停離婚)。 |
離婚の調停を申し立てても調停が不調に終わった場合には、離婚を希望する夫婦の一方は、他方を被告として、家庭裁判所に対して、離婚の訴えを提起することになります。
訴訟では、当事者の主張、提出される証拠により、家庭裁判所の裁判官が事実を認定し、離婚を認めるかどうかを決めます(裁判離婚)。 |
| 2 |
Q |
どういう状況なら、離婚できますか? |
| A |
協議離婚と調停離婚では、離婚原因は限定されません。
いわゆる性格の不一致などでも、当事者が離婚することに合意すれば、離婚は成立します。 |
しかし、裁判離婚では、次のいずれかの場合でなければ、離婚はできません。
@ 配偶者が不貞行為を行ったとき
A 配偶者から悪意で遺棄されたとき
B 配偶者の生死が3年以上不明なとき
C 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
D その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき |
 |
| こんなとき? |
| 1 |
Q |
相手が不倫したのに、離婚すると言われました。こういうときでも離婚は認められますか? |
| A |
自ら不貞行為を行った者など有責配偶者からの裁判離婚の申立てであっても、
@ 別居期間が相当長期にわたっていること
A 未成熟の子がいないこと
B 離婚により相手方が精神的、社会的、経済的に極めて苛酷な状態におかれる事情がないこと
といった条件を考慮の上、裁判で離婚が認められることもあります。
別居期間は、およそ10年程度と言われますが、6年で離婚を認めた高等裁判所の判決もあり、何年で認められるかは個別の事情によります。 |
| 2 |
Q |
相手から離婚して欲しいと言われましたが、私はそのつもりはありません。相手が勝手に離婚届を作成し役所に提出してしまうことを防ぐ方法はありますか? |
| A |
あなたの同意なしに勝手に離婚届を作成しそれを役所に提出しても、離婚は無効です。
しかり、離婚無効の裁判を起こす手間を省くためには、予め本籍地の市町村長に離婚の不受理申出をしておくことが必要です。
この申出があると、離婚届は受理されません。但し、不受理届の受理の阻止期間は、提出後6ヶ月ですので、6ヶ月後にまた不受理届を提出する必要があります。 |
| 3 |
Q |
相手が暴力を振るうので、家を出て離婚をしたいと思っています。相手に居所を知られるのは不安です。居所を知られないで、離婚調停の手続きはとれますか? |
| A |
別居後の住所や職場を知られたくない場合は、調停の申立書にその旨を記載し、相手に住所などを知らせないように裁判所に依頼することができます。
また離婚調停においては、あなたと相手が別々の部屋で待機して、交互に調停委員の前で事情を話すので、相手と顔を合わせないで手続きを進めることができます。
暴力がひどい場合は、離婚手続と並行して、DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び保護に関する法律)の利用も考えられます。
各都道府県にある配偶者暴力相談センターや警察に相談し、裁判所に保護命令の申立てをすると、退去命令や徘徊禁止命令が発せられます。
なお、離婚の場合に限らず、一般的な訴訟等において、住所を相手に知られたくない特別の事情がある場合には、連絡先の記載があれば、居所の住所を訴状等に記載しなくても、訴状等を受理するように、最高裁判所から各裁判所に通達がなされています。 |
 |
| 子供や名字のこと |
| 1 |
Q |
未成年の子供がいる場合、離婚でどんなことに気をつけなければなりませんか? |
| A |
離婚する夫婦間に未成年の子供がいる場合、必ずどちらが親権者となるかを決めなければなりません。
親権者とは、子供の養育監護や財産管理を行う法定代理人です。
親権者とは別に、親権者とならない親を監護者(現実に子供の世話をする者)とすることもできます。
このほかに、子供の養育費や子供と別れて暮らす親の面接交渉権の行使方法などを決めるのが一般的です。 |
| 2 |
Q |
子供の養育費の算定は、どのような基準で決められますか? |
| A |
養育費の算定は、子供の生活費の額を認定し、その上で父母の分担額を決めて行います。
この場合家庭裁判所が利用する基準としては生活保護基準(厚生労働省が定めた生活保護法に基づく保護基準)を用いた按分方式が一般的です。
養育費の支払いは、月払いが一般的ですが、調停や審判で養育費の支払いについて取り決めがなされたのであれば、支払いが滞った場合に、家庭裁判所に履行勧告あるいは履行命令を出してもうらうことができます。
それでも効果がない場合は、調停調書や審判書に基づき、相手方の財産を差し押さえることもできます。 |
養育費算定表本文 |
養育費算定表 ※大阪家庭裁判所HPより |
| 3 |
Q |
相手方が死亡した場合、相続はどうなりますか? |
| A |
離婚した場合、離婚した夫婦双方に相続権はありません。
しかし、親子関係はなくなるものではありません。
子については離婚した相手方の相続人という地位に影響はありません。
相手方がその子供の親権者でなくとも、あるいは相手方が子供の養育料などを負担していなくとも、引き取った子供と相手方の姓が異なっていても、子供は離婚した相手方の相続人になります。
したがって、そのような親が亡くなった場合、子供はその親の法定相続人として、財産を受け継ぐことができますし、場合によっては負債も受け継ぐことになります。 |
| 4 |
Q |
離婚によって、姓はどうなりますか? |
| A |
結婚により姓を改めた配偶者は、離婚により原則として以前の姓に戻ります。
この場合、戸籍は、婚姻前の戸籍に戻るのが原則ですが、新しい戸籍を作ることもできます。
離婚後も結婚していたときの姓を使いたい場合は、離婚した日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を市区町村役場へ提出すれば、結婚していたときの姓を使うことができます(この場合は、必ず新しい戸籍が作られます)。
子供の姓については、離婚によっても変更されず、離婚後もこれまでの戸籍筆頭者の戸籍に残るのが原則です。
ただ、子供の姓が親権者となった親の姓と異なっている場合は、家庭裁判所の許可を得て、親権者である親の姓を称することが認められています。
この場合は、親権者と同じ姓で親権者を筆頭者とする戸籍に入ることができます。 |
 |
| 財産のこと・住まいのこと |
| 1 |
Q |
相手が勝手に家を出て行ったので離婚したいと思っています。生活費はどうなりますか? |
| A |
離婚が成立するまでの生活費の支払いを求めて、家庭裁判所に婚姻費用分担の調停を申し立てることができます。
分担の基準と算定の方法は、夫婦の収入や資産、別居の事情など一切の事情を考慮して決められます。 |
| 2 |
Q |
預貯金や家の名義が全部相手のものになってて、自分のもとには何も残りません。財産分与の請求はできるのでしょうか? |
| A |
財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して得た財産を離婚に際して分けることです。
したがって、婚姻中に夫婦の一方が相続により得た財産などは、財産分与の対象にはなりません。
財産分与には、
@ 夫婦で築いた財産の清算
A 離婚後の生活の扶養
B 慰謝料(財産分与とは別に請求できますが、財産分与に含める支払うことが認められています。)
といった性格があるとされます。
この内、清算としての財産分与の基準としては、原則として2分の1が定着しつつあります。
財産分与の請求は、離婚後2年間が過ぎると請求ができなくなります。 |
| 3 |
Q |
離婚による慰謝料の相場は、どれ位ですか? |
| A |
離婚による慰謝料の額は、暴力や不貞などの不法行為の程度・回数・婚姻期間・生活状況、請求する側の落ち度などの諸般の事情を考慮し、最終的には裁判所により決定されます。
したがって、ケースバイケースとしか答えようがありませんが、通常のサラリーマンですと、財産分与と慰謝料を合わせて、200万円〜500万円くらいが多いようです。
なお、離婚による慰謝料は、不法行為後3年経つと時効により請求できなくなります。 |
参考程度に
離婚自体慰謝料=@基本慰謝料+A相手の年収の3%×B実質的婚姻年数×C有責度×D調製係数
@ 基本慰謝料 : 金100万円〜金120万円
A 相手の年収×0.03
B 実質的婚姻年数 : 実質的婚姻年数が20年以下のときはその年数、20年を超えるときは20
C 有責度 : 相手が極めて悪い=1 相手が悪い=0.8〜0.2 お互い同程度=0
D 調製係数 : 0.7〜1.3(今後の自活の困難性や、それぞれの事情を考慮して決定) |
| 4 |
Q |
財産分与・慰謝料に税金はかかりますか? |
| A |
財産分与が、金銭でなされた場合は、支払う側も受け取る側も原則として税金はかかりません。
財産分与が不動産や株など現金以外のものでなされた場合は、譲渡する側に譲渡所得税がかかりますが、受け取る側は不動産以外であれば税金はかかりません。
受け取ったものが不動産の場合は、不動産取得税がかかります。
慰謝料については、税金はかかりません。但し、不動産を処分して慰謝料を支払った場合には、支払った側に譲渡所得税がかかります。 |
| 5 |
Q |
婚姻中、相手の債務について連帯保証人になりましたが、離婚すれば連帯保証人をやめることができますか? |
| A |
離婚したからといって、連帯保証人を当然にやめるということにはなりません。
連帯をやめたい旨を、債権者と交渉し、その了承を得る必要があります。 |
| 6 |
Q |
現在の自宅に住み続けたいと思っていますが、ローンはどうなりますか? |
| A |
財産分与によって現在の自宅を取得することは可能です。
ローンについては、離婚後も相手方が支払うよう取り決めをするか、あるいはあなたが相手方の代わりにローンを支払っていくかのいずれかになります。
前者の場合、相手方が支払いを怠れば、自宅にはローンのために抵当権がつけられているでしょうから、銀行等の債権者から競売を申し立てられてしまう可能性があります。
したがって、自宅を維持したいのであれば、最終的にはあなたがローンの支払いをしなければならなくなります。
後者の場合、銀行や住宅金融公庫はローンの債務者の変更を拒むケースが多く、一旦ローンの全額を返済して、借り直す「借換」の手続きが必要です。
なお、あなたがローンを負担するときは、自宅の価格からローンの額を引いた額が、財産分与の額となります。 |
| 7 |
Q |
相手の名義で借りている家に住んでいますが、離婚しても住み続けることはできますか? |
| A |
家族の住居として相手方が家を借りた場合、家族の一員であるあなたも賃借人たる地位を持っていると考え、住み続けることは可能です。
ただし、できることならば、離婚の際に家主との間で、あなた名義の契約書を作り直しておく方が良いでしょう。 |
 |
| 離婚後の社会保障について |
離婚により小さい子供を引き取った場合などは、児童扶養手当や児童手当の支給、母子福祉資金による貸付け、母子生活支援施設への入居などの制度があります。
その他生活保護の受給などの詳しい内容は、お住まいの市区町村役場、福祉事務所に問い合わせてください。 |