忘れられない治療 その27 息苦しい 呼吸がしづらい

「呼吸をしても酸素がはいらない」「息をすると胸や背中が圧迫されて苦しい」「息苦しくて胸がバクバクドキドキする」

呼吸器科に行っても「どこも悪くない」と言われ治療法がなくネットで調べて来院する患者が最近増えています。肩こりなどで来院した患者さんを治療するうち「胸苦しい、呼吸がしづらい」のが解り治療することもあります。

このような患者の多くに共通するのは責任感が強く、何をするのでも完璧にしないと気がすまない真面目な性格です。集中して仕事や家事に取り組み体が緊張してストレスを溜めやすい方が多いのです。当院では20代から70代の全年代の女性が息苦しさを訴えて来院しておりますが男性は一人もおりません。

本来通常の呼吸は意識して行うものではなく自然に吸ったり吐いたりするものです。交感神経と副交換神経のバランスが崩れるとこのような症状になります。

経絡治療はこのような症状に有効です。

まず患者さんの証に従って治療をします。息苦しい患者さんの多くに共通するのは患者さんのミゾオチから胸の前面にかけて緊張があることです。この緊張が胸の圧迫感になっているのです。

肘から先の三焦経小腸経を流れに沿って触るとコリコリ、ボコボコと反応するツボがあります。このツボに鍼を入れ、軽く何度か押すと胸の緊張が取れて軟らかく艶を帯びてきます。鍼をしている最中に患者さんの呼吸が急に深くなり「胸の重石が取れた感じ」と言われる事があります。

完全に症状から解放されるのはすぐにとはいきませんが継続治療するうちに少しずつ症状か改善していきます。これまで抗うつ剤や安定剤に頼らざるを得なかった患者さんに「薬を飲まないで済むようになった」と喜ばれています。

同じような症状に苦しんでいる方には是非、経絡治療をお勧めします。 2014年1月      トップページ  

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アンチエイジング
鼻つまり
食欲不振と体重減少
肋間神経痛・こめかみ痛
皮膚の荒れ、カサつき
便秘、お腹のガス、排便の悩み
顔面神経麻痺
受験生の腰痛・肩こり
胸苦しい、胸の圧迫感
目の奥の痛み〜頭痛〜肩こり
皮膚湿疹
大地震による帰宅難民と腰痛
めまい
空気を飲む病気ー呑気症の治療
冷え症、低体温が改善した
転倒で捻挫の患者の治療
血液透析中の痛みが緩和した
ヤスさん、100歳おめでとう
ヒステリー球、声のかすれ
ストレスと異常食欲
99歳になるヤスさん
遠方からの患者 背腰痛
40代男性のギックリ腰
小児の扁桃腺炎治療
「寝たきり」からの回復
逆子治療
ネフローゼによるむくみ
忘れられない治療 その26 脈が若返る アンチエイジング


84歳になるSさんは愛犬の柴犬を連れていつもご近所を歩いています。

今年4月1日に来院しすでに8ヶ月近く定期的に治療しています。

Sさんは若い頃アマチュアの相撲選手でならし、今でも「同年代で相撲大会をやったら誰にも負けない」と自負しています。

初めて来院した時は「歩くのもやっと」で「この先、人に迷惑かけて生きるのか」と暗澹たる気持ちだったそうですが今では右の写真のように元気になりました。

「人に喜んでもらう仕事をして死にたい」「100才まで生きるぞ!」と明るく語っています。

私たち経絡治家は脈をみて診察しますが高齢者の脈は沈んでいる方が多く、そういう方は活力に乏しく不活発です。Sさんも初診時はそうでした。

しかし継続して治療するうちに沈みがちの脈が段々浮いてきて若い人の脈に近くなってきました。また鍼を皮膚に接触させる毎に皮膚に若々しい艶と潤いが出てくるのがわかりました。

ラジオ体操と愛犬との散歩に加え経絡治療で「アンチエイジング=80代からの青春」を生きていただきたいと思います。

右は和田中のラジオ体操「みんなの体操」のSさん。左は愛犬の柴犬「モモ」です。  2013年12月

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忘れられない治療 その25 鼻つまり 患者の自己観察情報のヒット


9月になっても異常気象はおさまらず台風による豪雨や突風、竜巻は全国に多くの被害をもたらしています。お見舞い申し上げます。

「鼻つまりと背中のコリがセット」という患者の症例を報告します。

ある日、ドライヤーで髪を乾燥している時に首の後に熱気があたり、鼻つまりが急に楽になったそうです。

ドライヤーを当てた部位を聞きますと「膀胱経の天柱」というツボのあたりでした。膀胱経は「晴明」という目頭の内側のツボから始まっています。晴明穴はちょうど鼻涙管(目と鼻をつなぐ管)の入り口の近くにありますから膀胱経と鼻つまりは人体の構造的にも関係があるといえます。

お灸にも「ほんのり暖めるだけのお灸」と「熱くなるまですえるお灸」があります。前者を補的な灸と言い、後者を寫的な灸と言います。熱くなるまですえる寫的な灸は体内の邪気を取り除くために使います。「膝の痛み」など関節の炎症を抑えるために熱い灸をすえると炎症が緩和されます。

患者の話からドライヤーで膀胱経の天柱を熱したために寫的に作用し膀胱経の邪気が取り除かれ鼻の通りが良くなったと判断しました。膀胱経は背中の肩甲骨の間を流れるため鼻と背中のコリが常にセットという事も解りました。

天柱穴は胴体と頭部を繋ぐ重要なツボなので「天の柱」という名前が付けられたのでしょう。鼻や背中に効くだけでなく目の症状や頭痛にも効く重要なツボです。

鍼の刺し方にも「補的」「寫的」の区別があります。簡単に言うと「補は留め動かさず生気を補い」「寫は動して邪気を奪う」のです。

患者の自己観察の情報から「膀胱経全体を抑える治療」と「天柱穴に寫的に鍼をする」という治療体系が導かれました。

治療後、鼻が通り、背中のコリも楽になりました。このような自己診観察の報告がとても役にたった症例です。

                            2013年9月16日 トップページ  

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忘れられない治療 その24 食欲不振と体重減少
2013年8月の方南町エイサー祭。

かってない豪雨で甚大な被害に遭われた被災地の皆様に心からお見舞い申し上げます。

異常気象の7月最後の31日。2人の患者から「体重が増えた。とても嬉しい!」という報告を受けました。

「飽食の時代」「国民総成人病化」と言われる現代、「痩せたい、スリムになりたい」方が多い一方、「これ以上痩せたら身体がもたない。もっと太りたい」と切実に望んでいる方もいます。不眠やウツ症状に苦しむ患者は自然な食欲がなくなり体重が減っていきます。

12の経絡の中で食欲に関係する経絡は複数ありますが、その中でも「脾経」は食欲不振や食欲過多に大きく関係しています。脾経は「思いを過す」という精神状態にも関係しています。心配事があると胃が痛くなるという話はよく聞くところです。

ストレスで過食になる方もいれば食欲がなくなる方もおります。食欲は健康な肉体を維持するに必要な食事量を欲するのが自然です。食欲過多も食欲不振も自然なあり方ではありません。

経絡治療は心身のバランスを整え自然な食欲を取り戻してくれます。

自然な食欲を取り戻していくにつれ「痩せた頬がふっくらする」と同時に「ピリピリした表情が穏やかに」なってきます。

経絡治療のこのような効能を多くの方に知っていただきたいと思います。       2013年8月1日トップページ   

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忘れられない治療 その23 肋間神経痛、こめかみ痛  アイスマンと同じツボ!

ゴールデンウィークの少し前、介護施設で働いている30代の男性が左脇の激痛を訴えて来院しました。電灯の修理で手を上げた途端に左脇に激痛が走り息をするのも苦しいとあえいでいます。

整形外科で「肋間神経痛」と診断されたそうです。

肝虚証と証を立て治療しました。東洋医学では「肝は血を蔵する」とされ血で筋肉に栄養を与える臓器とされています。介護の仕事は力仕事の上に深夜勤もあり肝が弱り筋肉が弱っていたのがちょっとした動作で激しい症状を引き起こしたと考えられます。

この患者の全身を診察したところ左下腿の側面に盛り上ったような反応がありました。右の図は胆経の体表における流れの図です。胆経の流れに何か異常が起きると膝から下の胆経上に異常反応が出てます。そこを治療点にすると離れた場所の症状もなくす事ができます。脇には胆経が流れています。

肝虚証の治療をしてから胆経の反応点に寫法という邪気を取る手技をしました。同じような治療を2回やって脇の痛みはなくなりました。

ゴールデンウィークが終った翌日、今度は60代男性が「左こめかみ痛」を訴えて来院しました。深夜に及ぶパソコン作業で目を酷使して偏頭痛やこめかみに症状が出ているようです。この患者にも左下腿の胆経にくっきりとした反応が出ていました。

肝虚証の治療の後胆経の反応点に寫法をしたところ症状はスッキリしたとの事でした。

アルプスで見つかった5000年前の冷凍ミイラにツボの刺青

この春、NHKの教育テレビで「アイスマン」の特集をしました。アルプス山中で発見された5200年前の冷凍ミイラの解凍・解剖を取材した特別番組でした。

このミイラには全身15箇所の刺青があります。これが古代におけるツボの印で、ここから治療したのではないか?と言われていました。今回このミイラをレントゲンにかけると「腰痛持ち」だった事がわかったのです。刺青の位置ははまさしく腰痛に使うツボだったのです。

このツボの中に肝虚証の患者に使う「肝経の曲泉(きょくせん)」というツボがあり、胆経の「陽輔(ようほ)」というツボがありました。

陽輔も曲泉も先に「肋間神経痛」や「こめかみ痛」の患者に使ったツボではありませんか。5000年の時空を越えて古代からの医療の蓄積が現代人を救っているという事実。素晴らしいものではないでしょうか!

           2013年5月16日  トップページ                    ページ上へ戻る


忘れられない治療 その22 皮膚の荒れ、カサツキ、顔の湿疹が取れた
傳田光洋著 「皮膚は考える」

著者らは脳神経系で働く物質と同じものが皮膚に存在する事を発見した。鍼灸医療の本質ともからむ皮膚科学の最新研究を紹介。

頭痛や肩こりなどを治すために来院した患者が継続治療をうけていると皮膚がキレイになった、と喜ばれた最近の症例を3つ紹介します。

Aさんの例。(30歳女性・会社員)パソコン作業に従事。

初診は去年の2月。「目の奥からコメカミにかけての痛み、頭痛で鎮痛剤に頼るほど。なんとか治して欲しい」と来院しました。この他に「風邪をひくと咳が長引く、口の周りからアゴにかけて赤いブツブツした湿疹が出ては消え、消えては出る」と言っていました。

頭痛やコメカミ痛は3ヶ月くらいで出なくなりましたが体質改善のため継続治療をお勧めしました。Aさんは週1回の治療に真面目に欠かさず通って下さいまして、こちらも精一杯治療しました。

そのうち顔面の新しい湿疹が出なくなり古い湿疹の跡も消えてとてもキレイな皮膚になってきました。冬場は咳に悩まされるというので12月まで通っていただき咳も出なくなったので12月半ばに治療を終了しました。10ヶ月の間、ほとんど毎週通ってくれたのと本人の若さと体力に助けられて根元から体質を変える事ができました。

Bさんの例。(50歳女性・会社員)この患者も長時間のパソコン作業をしている。

初診は去年の10月。肩こり、腰痛で来院。更年期でノボセも出始めています。この患者も週に1回来院しています。長い間の仕事の蓄積で出た症状なのでまだ全てスッキリとはなりませんが「以前より楽になった」と喜ばれています。

去年の12月。「冬になるといつも寒さで皮膚がパリパリするのに今年はない」と報告してくれました。お正月には久しぶりにあった姉妹から「肌がキレイになった」と言われたそうです。

Cさんの例。(40歳男性・会社員) この患者は今年の初めに慢性肩こりで来院したばかりです。初診時、触診をしていると全身の皮膚が枯燥しカサついていましたが何回か治療するうちに皮膚に潤いが出てきました。

毎年寒くなるとカカトがひび割れて血が出るのに今年はそれがないのは鍼治療のおかげ」と奥様から先日お聞きしました。

最近の3つの症例を紹介しましたが、経絡治療は健康で潤いのある艶やかな皮膚にします。「皮膚の健康は体の健康に繋がる」と最新の皮膚科学の本にも書かれています。美容ハリというと顔中にハリを刺している写真をイメージしますが経絡治療は体全体を整える事で健康=美しい皮膚にします。

             2013年1月31日      トップページ     

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忘れられない治療 その21 便秘、お腹のガス、排便の悩み

今年もあと20日で終わろうとしています。2012年後半は便通の悩みを主訴とする若い方が複数来院しました。

「便通が悪くいつもすっきりしない」「便意のコントロールが出来ず学校や職場に行きたくない」「ガスが溜まってお腹が張って苦しい」「人前でオナラをして恥ずかしい」など等。

これらの多くは病院に行って検査しても原因が解りません。ストレス性のものではないか、と言われています。

便通の悩みで来院される患者を診察すると脾経、胃経のアンバランスが多く診られます。脾経と胃経は陰陽の関係です。陰陽のバランスを整えるのが体質改善のかぎと言われています。

この2つの経絡とも「消化」「排泄」に関わる経絡です。更に胃経は神経症にかかわる経絡です。数千年前の中国医学の古典である「黄帝内経素問」によると胃経は現代で言う「躁鬱病」に関係があるとされています。

「悩みがあると食欲がなくなる」「ストレスが嵩じると過食に走る」事からも食欲は神経的なものに大きく左右されると言えます。便通の悩みも胃経を使って治療する事で長年の悩みが改善する事が臨床を通してますます解ってきました。

幼児の時期から便通の悪さに悩んできた若者は鍼をするごとにお腹が温かくなり最近ではほとんど便通の悩みがなくなりました。仕事のストレスなどで「お腹のガス」に悩んでいた患者は治療を始めて2ヶ月あまりで症状が半減しました。

その他、仕事のストレスが原因の便秘が胃経を治療する事で改善しています。

食事や生活習慣の改善はもちろん大切ですがストレスが原因の便通の悩みには経絡治療が適応です。

                    2012年12月10日               トップページ 

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忘れられない治療 その20   顔面神経麻痺

3月初旬に顔面神経麻痺の女性患者が来院しました。精神的なショックと体調不良が原因と思われます。娘さんが「顔面麻痺には鍼灸が効く」との情報を得てお母さんに鍼灸を薦めたそうです。

患者は口を閉じるのも困難そうで右顔面がこわばり表情が固まったようになっています。触ると右顔面から首にかけて硬く硬直しておりました。

そして右腕の肘から下の部分(右写真矢印部分)の皮膚下にボコボコとした粒状のものが触れます。これこそ顔面神経麻痺と関連する所見だったのです。

顔を流れる経絡には手の指から始まる経絡が3つあります。大腸経、三焦経、小腸経という経絡です。右腕に出たのは、この3つの経絡にそった所見です。

「ここに顔面麻痺を起した邪気があるよ。ここから邪気を取れば治るよ。」というサインなのです。

身体の調整をする本治法の最後に右腕部分の3つの経絡のボコボコに鍼をいれ邪気を取った瞬間に顔のこわばりが取れて右腕の所見も取れました。完治するまでは、その後数回の治療が必要でしたが、この患者の場合、初期にこのような治療をしたために短期間で麻痺が取れ、後遺症も残らずにすみました。

6月になってから患者が「腕に硬いものが出てきた。顔を触ると麻痺の前兆のように思える」と言って来院しました。確かに右顔面に小さなコワバリが出来かかっていました。疲れがたまって体調を崩していたそうです。ただちに前と同じ治療をして麻痺になる前に治す事が出来ました。

私たち経絡治療家は症状の出ている部分だけでなく手足などの経絡を触りながら的確な治療点を見つけ出す事ができます。これを切経と言います。患者さんに切経を教えていたので、患者さん自身が自己診察して麻痺の兆しを発見して良い結果になりました。                              2012年6月13日  トップページ 

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忘れられない治療 その19 受験生の腰痛、肩こりの治療

受験生の男子高校生が来院したのは昨年11月でした。腰痛が主で肩こりも訴えておりました。同じ姿勢で机に向かう時間が長く腰や肩の筋肉を圧迫するのに加え数ヵ月後に迫るセンター試験と大学入試の受験で交感神経が緊張していたものと考えられます。

自律神経は、正反対のはたらきをする「交感神経」「副交感神経」の 2つの神経 から成り立っています。

交感神経がはたらくのは、「活動している時、不安、恐怖、ストレスを感じている時」とされ血管がちぢんで、心拍数が増え、筋肉が緊張してどんな事態にもすばやく対応出きるよう体が準備した状態です。副交感神経がはたらくのは、「睡眠中、リラックスしている時、ゆったりと落ち着いている時」とされ血管がひろがり、心拍数は少なく、筋肉もゆるんで、昼間の活動での疲労回復、体の修復をおこないます。

受験生は交感神経、副交感神経の調和が乱れ交感神経が優位になりがちです。そのため筋肉に血流が充分回らず腰痛や肩こりになりやすいのです。

受験生にとって病院でもらう鎮痛剤を飲むと眠くなり集中力を下げるので使いたくありません。

鍼治療で「だいぶ楽になる」と勉強の合間や試験の前に何回か治療しました。先日、長い間の苦労から解放された晴々とした顔で大学入試合格の報告に来られました。

本当に良かったですね。おめでとう!      2012年3月3日              トップページ 

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2012年5月21日7時37分 金環日食

忘れられない治療 その18 胸苦しい、胸の圧迫感

息をするのが苦しい心臓が圧迫されているよう気がする。このような症状を訴える高齢者の患者を秋になってから複数治療する機会がありました。

 膝の痛みや腰痛で来院される患者を診察していると胃の上から胸にかけて硬さと盛り上がりを触れる事があります。腹や胸に異常がないかを聞くと「胸が詰まったような圧迫感がある」と訴えます。

 病院で検査しても呼吸器にも心臓にも異常がないのですが場所だけに命にかかわる不安感があって不思議でありません。

 検査で異常がなければ西洋医学では治療のしようがありません。

ところが私たちの経絡治療はこのような症状にとても効用があります。

 今回の患者は共通して脾経が強い実になっていました。実とは「生命力の働きを妨害するような悪条件、即ち邪気(じゃき)が強く盛んな状態」を言います。(「虚実の補寫とは」を参考)虚実は脈診でも腹診にも出ますがますが普通の人でも腹診で解ります。左図の腹診の図の「脾の診所」に脾実が表れます。「脾の見所」が硬く突っ張り少し触っただけで痛みや不快感を覚えます。胸の圧迫感を訴える患者は「心の診所」まで突っ張る例が多いのです。(腹診とはQ&A参照)

 足の脾経のツボから脾実を取る「寫法」の処置をするとウソのように腹や胸の突っ張りが取れて胸の圧迫感がなくなるのです。「胃が下に降りる感じ」「胃の中味が滞っていたのが下に流れる感じ」と患者は言います。そして晴々した顔でお帰りになります。

 同じような症状の方、是非一度経絡治療を試してみて下さい。    2011年12月12日   トップページ  

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2011年12月10日皆既月食

忘れられない治療 その17 目の奥の痛み〜頭痛〜肩こり


11月初旬、やっと秋らしくなった頃、背中の激しい痛みを訴えて若い女性が来院しました。本人は「寝違いによる痛み」といいますが普通の寝違いには思えなかったので他の身体の様子を詳しくお聞きしました。

「目の奥が痛くて慢性的な頭痛がする」という事でした。また重い生理痛にも苦しんでいました。肝経の太衝というツボ(右図)に硬結が触れたので肝経が邪気(ストレスや悪環境など)に冒されているのが解りました。肝経は目とも非常に関係のある経絡です。(あなたはどのタイプ?を参照) 肺虚肝実と証を立て肝経の邪気を取る治療をしました。翌朝には背中の激しい症状が無くなった、ということでした。

頭痛と生理痛が一緒に訪れる女性はけっこういらっしゃいます。そして最近多いのが目の奥の痛みと頭痛が同時に来る、という事です。職場のストレス、パソコン作業で目を酷使する事がこのような症状の患者を多くしているのだと考えます。

同じような症状は男性にも多くなっています。プログラマーで納期に追われて長時間集中作業をする男性が「目の痛みと頭痛」を訴えて来院しています。このような患者は鎮痛剤を多飲するので胃も壊してしまいます。頭痛も長引くと大変な事態も予想されます。自分の命は自分で守るしかありません。         2011年11月9日        トップページ   

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忘れられない治療 その16 皮膚湿疹

5月中頃、手や首の湿疹を治したい、と中年の女性が来院しました。手にボツボツやザラザラの湿疹があり首には蕁麻疹のような赤い広斑があります。患者さんは美容のお仕事をされているだけに一刻も早く治したいご様子でした。

経絡治療では「皮膚は肺経のつかさどり」とされています。(あなたはどのタイプ?を参照)肺虚の方はとても神経が細やかで呼吸器や皮膚に症状が出やすいのです。この患者さんも肺虚と証を立てました。ハリをして皮膚の感受性が敏感なのが解ったので刺激過剰にならないよう軽く治療いたしました。普通は鍼を使うところを「知熱灸」というソフトなお灸で治療しました。予想以上に治癒が早く、3回目くらいで「もう一歩」というところまで来ました。ところが4回目に来院した時に残念ながら悪化しかけていたのです。「激しい精神的ストレス」にさらされたのが原因のようです。

改めて診察したところ「精神的なストレス」が邪気になって皮膚の改善の邪魔をしているのが解りました。邪気を取り除く治療をすると再度皮膚の潤いが増してきました。

皮膚は体の内と外の境目にあり外部環境にいち早く反応するだけでなく体の内面、内臓や精神の動きにも反応するものです。

外側からクリームを塗ったりマッサージを施したりというだけでなく体全体の調整がとても大事です。今回の治療を通して改めて実感しました。患者さんは美容関係のお仕事をされているので皮膚の勉強もされているそうですが「皮膚の外からの働きかけと内側の調整と一緒にするのが一番ですね」とおっしゃっていました。一日も早く皮膚を綺麗にして、更に体も心も元気にしてあげたいと思います。                2011年5月31日      トップページ   ページ上へ戻る     


忘れられない治療 その15 大地震による帰宅難民と腰痛

3月11日金曜日午後2時45分に発生した「東日本大震災」はその後福島原発事故とあいまって甚大な被害をもたらしつつあります。被災地の皆さんに心からお見舞い申し上げます。

当日は東京でもほとんどの交通機関が不通となり勤務先から自宅まで歩く人たちの列は深夜まで延々と続きました。翌日の土曜は勤め人の方が多く来院しました。歩いて帰り着いたのが夜中の2時過ぎになった方、、ホテルのラウンジで夜を過ごした方、と疲労と筋肉痛に苦しんでいらっしゃいました。経絡治療で疲労と痛みをとることが出来、喜ばれんました。治療家としてこういう時に役に立つ事ができ、嬉しく思います。

この週は月曜日がめずらしく春の雪で寒い日でした。、寒さのせいもあってかギックリ腰になった女性患者が這うようにして来院しました。週前半、治療に通って痛みがなくなったので「地震当日も歩いて帰れました」と感謝されました。また週に3回の人工腎臓透析に通う女性患者は地震後のストレスで膝や腰の痛みがひどくなっていました。この患者にも「とても楽になった」と喜ばれました。

震災が一日も早く終わり復興する事を祈ります。これから経験したことのない厳しい時代を迎える事を覚悟しなければなりません。今後も皆様のお役に立てるよう精一杯努めてまいりたいと思います。        2011年3月15日                           ページ上へ戻る       トップページ    

上の写真は大地震の日の夜の方南町交差点 遅くまで帰路を歩く人たちの列が続いた。

忘れられない治療 その14 「めまい」
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「めまい」に苦しむ方はまず、耳鼻科に行く方が多いようです。耳の中の耳石が原因か?あるいは「メニエール病」ではないかしら?あるいは内科へ行って脳に原因があるのではないか?あるいは血圧が低くて脳に血流が行かないせいか?病院で原因が判明し薬を処方してもらってもなかなか「めまい」が治まらない。そんな方も多くいらっしゃいます。

8月末に「めまい」が治らない、と40代の女性が来院しました。この患者は7月半ば、起床時に激しい回転性の「めまい」と頭痛と吐き気に襲われたそうです。病院へ行って原因が内耳にあると診断され薬を処方されたがなかなか治らないので鍼灸でなんとか出来ないか?と来院されました。

寝返りをすると「回転性めまい」がする。また仕事のパソコン作業で目を使い緊張すると、やはり目がまわるのだそうです。

肝虚証と証を立てて治療しました。肝経は弱ると目が疲れたり頭痛がしたり「めまい」になりやすくなります。(あなたはどのタイプ?を参照) この患者はもともと肝虚の体質でしたが、仕事や転居などの精神的疲労がより肝経を弱らせ「めまい」を引き起こしたと思われます。2回目の治療の後から、寝ている最中の「めまい」の兆しがなくなったと喜ばれました。現在も体質改善のために定期的に通ってこられます。

現代医学は病気の原因が解らないと治療できませんが東洋医学は体の全身のバランスを整える事で治癒に導く事が出来ます。「めまい」は運転手などの職業では他人の安全にもかかわるものです。どうしても治癒せず、苦しんでいる方は経絡治療をお試し下さい。    2010年9月   ページ上へ戻る

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忘れられない治療 その13 空気を飲む病気ー呑気症の治療

梅雨が明け、猛暑となった7月の半ば「ゲップに苦しむ」30代の女性が来院しました。この患者は以前からゲップは出やすかったそうですが3ヶ月前の4月から尋常ではないゲップに苦しむようになったそうです。体を動かすだけでもゲップ。夜寝てからもゲップで眠れない、と言います。

このような症状の病気を、空気嚥下症、呑気症、噛み締め呑気症候群、などと言います。現在この病気に悩まされている人は8人に1人とけっこうな率になります。密かに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。20代から50代のストレスを受け易い女性が一番多いと言われています。現代医学の治療法としては消化剤か抗不安薬を処方、となっています。

今回来院の患者も30代後半の働く女性です。ゲップがひどくなったのが4月の年度始めですから、いつもより強いストレスがあっても不思議ではありません。4月から疲れやすくなっていたそうです。

脾虚証と証を立てて治療しました。脾虚証は消化器に関連する病気が多いですが同時に「思いをすぎる」ことで発症する病気も多い、とされています。(あなたはどのタイプ?を参照) この患者は顔に湿疹が出来やすいそうですが、これも脾の症状の一つです。また膝の下の足の内側に凹んだ部分がありました。これは脾経の通り道が弱っている事を示しています。治療するうちに肌がスベスベしてくると同時に足の内側の凹みが無くなってきました。患者さんは「体が温かくなって気持ちが良くなった」と言ってお帰りになりました。

1週間後に来院した時には激しいゲップは治まっていました。治療した当日、下からガスが沢山出てびっくりしたそうですが症状が改善して食欲も出てきた、という事でした。お腹にガスが溜まりやすい体質を根元から治すために継続して治療する事をお勧めしています。

今回の治療から東洋医学・経絡治療が身体と心を一体的に捉えて治療する治療法だという事が改めて証明されました。呑気症に悩む多くの方に経絡治療の有効性を知っていただきたいと思います。

                            2010年7月

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忘れられない治療 その12 冷え症、低体温が改善した!

冷え症、低体温が身体の免疫機能を低下させ、感染症や癌や心臓病などにかかりやすくなる事が最近声高に叫ばれています。低体温とは身体の中から熱を作れない、だけでなく「身体の熱を外に放散してしまう」ことである、とNHKの「ためしたガッテン」でやっていました。

身体はポカポカなのに体温を測ると35度台の低体温という患者さんは夏でもコタツをいれています。背中に汗をかきながら「寒くて寒くてたまらない」と言います。まさに熱放散型低体温の典型です。熱放散は血管の収縮力がなくなることからおきると言われていますが原因は老化やストレスや不規則な生活リズムなどによっておきる、と考えられています。

80歳代のある女性患者は「冷えて、冷えて、冷えがストレスになって日常が辛くてたまらない」と言って来院しました。定期的に通うようになってから、少しずつ冷えを感じなくなり、低体温も少しずつ改善してきたそうで、これからもっと暖かくなるよう期待して継続しています。

癌や難病の新薬は様々出されていますが、そういう病気にかからないようにする事がなにより大事です。生活の改善と同時に、多くの方々が経絡治療で健康を守っていただきたいと思います。         

          2010年2月10日    ページ上へ戻る   トップページ


忘れられない治療 その11  転倒で捻挫の患者の治療

2010年の正月は転倒による捻挫の患者が2人相次ぎました。

一人は60代女性で旅先で前のめりに転倒し、体重を手で支えたため手首に全体重がかかり手首が激しく痛み腫れました。利き腕の捻挫のため書くこともできず仕事を休んで来院しました。

あと一人は80代の男性で不自然な姿勢でドスンと座り足が激しく反り返り、足首から足底まで腫れ痛み、歩くのも不自由になりました。

二人とも井穴刺絡といって捻挫した手足の指の爪の両脇に鍼を刺しました。そして黒く滲み出した血を絞り取りました。また腫れた部分とそうでない部分の間に糸状灸といって糸のように細いお灸をぐるっと据えました。

二人とも湿布では取れなかった痛みと腫れが取れ楽になったので大変喜ばれて帰りました。女性の患者は翌日には会社へ行って仕事が出来たそうです。

新年早々急性の痛みや腫れに鍼灸は適応することを改めて確認できました。 冷湿布で悪化させる前に鍼灸で治療する方が早く治ります。

       2010年1月12日  トップページ

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忘れられない治療 その10 血液透析中の痛みが緩和した

Bさんが来院したのは患者さんの紹介でした。方南町の商店街で鍼灸院を捜していたBさんが通りすがりの方に鍼灸院の場所を尋ね当院を教えてもらったのです。たまたま教えてくれた方が当院で治療を受けたことのある患者さんだったので、すぐに電話で「こういう方が伺うから」と連絡してくれました。

Bさんは80代の女性で慢性腎不全のため腎臓人工透析―血液透析を受けていました。主治医からよせられた診療情報によると平成17年から週3回の血液透析を受けており安定はしているが両下肢と腰に痛みがあるそうです。整形外科でも治療を受けているが改善がないので鍼灸でなんとかして欲しい、とありました。膝の痛みは10年前からだそうで杖を使って歩いています。

初診は2009年の3月でした。透析患者は「シャント」という人工の血管を手に埋め込んでいるので脈診が難しかったのですが問診や腹診も合わせて診察して腎虚証としました。治療すると膝の痛みがいくらか楽になるようでしたが、透析に週3回通っているので鍼灸の予約が難しいと2回目の治療の後、予約が途切れてしまいました。

9月の末になって再度来院するようになりました。腰や膝の痛みは以前と同じですが透析中、血圧が下がるせいか貧血ぎみになる、ということでした。まだ秋になるかならないかの季節なのに身体が冷えておりました。治療すると身体が温まり、とても気持ち良くなったそうです。それからは毎週欠かさず来院するようになりました。

治療再開後3回目に貧血がなくなったとおっしゃっていました。膝の痛みは治療後は楽になるがまた元に戻るというので自宅でも出きるお灸を教え自宅施灸を指導しました。膝の痛みは右に強いので右側の公孫穴と内関穴に棒灸を接近させるだけの簡単なものです。

この患者さんが一番喜ばれたのは、透析で水を抜く時の痛みが鍼灸をするようになってから減った事です。それがなにより助かっている、とおしゃっています。

透析患者は昔は余命が短く透析を宣告されることは癌にかかる以上に恐れられていました。今では透析を受けながら数十年でも生きられるようになりました。しかし週に数回の透析は負担が大きく、透析中の痛みは日常的なストレスになります。鍼灸でそれが緩和できたのは治療家としても大変励みになると同時に経絡治療の可能性を広げるものでした。

この患者さんは色使いや装いがおしゃれな方で、こういう前向きな姿勢が病気に負けない生き方に繋がるのだといつも感心させられています。

        2009年12月20日    トップページ

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a忘れられない治療 その9 ヤスさん、100歳のお誕生日おめでとう!a

4年前に「寝たきりからの回復」で御紹介したヤスさんが、4月14日に100歳のお誕生日を迎えました。ご覧のように、ますますお元気です。今でも週に一度、はり治療を受けています。

左の写真は御家族やお孫さんたちに100歳を祝福されるヤスさん。右の写真は背中を伸ばして散歩するヤスさんです。(写真提供はお孫さん)

次は日本一の長寿目指して頑張って下さい。

      2009年4月15日   ページ上へ戻る

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忘れられない治療 その8 ヒステリー球、声のか腎経の図すれ

8月末、方南町駅近くの環七でトレーラーと乗用車の衝突事故がありました。トレーラーに積んだ物が爆発炎上もありうる危険な事故で交通規制も広くひかれた大きな事件だったので記憶にある方も多い事と思います。お気の毒な事に偶然通りかかった乗用車に乗った中学生の男の子が亡くなりました。

それから2週間ほど経った頃、事故現場の近くにお住いの女性から「あの事故以来、喉に何か詰まった感じになって気になってしかたがない。鍼で治せるだろうか」という問い合わせの電話がありました。精神的なストレスからくる症状は鍼灸の適応なので「治療が可能である」と答えますとその日のうちに来院されました。病院で調べても何も見つからないそうです。精神的なショックから発症する「ヒステリー球」ではないか、と言います。声も少しかすれていました。

この症状は漢方でいう「梅核気」で実際は何も詰まっていないのに梅の種が喉に詰まったような感じがする、というものです。西洋医学では「咽頭神経症」「咽喉頭異常感症」「ヒステリー球」といいます。交通事故現場近くで大きなショックを受けたのが原因であると考えられます。肩から首にかけて緊張があり硬くなっていました。1回目の治療で、肩の緊張が取れたので症状はいくらか緩和するだろうと考えました。治療があまりに軽くて早かったので患者さんは「これで終わりですか?これからだと思ったのに!?」とびっくりしていました。

2日後に来院した時には症状はいくらか弱まっていました。腎虚と証をたて腎を補う治療をしたところ3日後に「おかげ様でほとんど症状が取れました」という電話がありました。

東洋医学では「恐れ」は腎経のバランスを崩すとされています。右上の図は「腎経の図」です。「小指の下から起こり舌本を挟みて終わる」となっています。交通事故による恐れの感情で腎が弱ったために腎経の流れる通路である喉元に、詰まった感じの症状が出たわけですね。

精神的なショックで声がかすれた別の例です。これまで何回か来院していた70代の女性患者が最近、ご兄弟を亡くされました。それ以降、「食欲がない」など体調が思わしくないのに加えて「声がかすれる」という事で久しぶりに来院しました。この患者はこれまでも腎虚で治療しておりましたがこの日も診察すると腎虚でした。腎虚証の方は精神的なストレスや恐れの感情で、より腎の虚が強まり「声のかすれ」を起こしやすいのではないか、と考えられます。2回の腎を補う治療で8割方治った、という事でしたが健康管理のために当分継続治療する事にしました。

ある患者の友人の例です。ハードな仕事と職場内の人間関係のストレスから失語症になったそうです。そして足を動かそうとしても足が動かず歩けない、という症状に長い間苦しんだそうです。ショックやストレスが失語や歩行障害まで引き起こすのですね。、経絡治療はこのような症状に対応した治療が出来る事を多くの方々に知っていただきたいと思います。

                             2008年9月記   ページ上へ戻る

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忘れられない治療 その7 ストレスと異常食欲

患者さんから「先生、痩せる鍼というのはありませんか」と聞かれる事があります。食事内容や運動量をそのままにして鍼治療だけで絶対痩せるという事は出来ません。しかし「食べても食べても食べ止まない」という異常食欲なら鍼治療で治せます。

4月の暴風雨の朝、以前来院した事のある30代の女性から予約の電話がありました。カサも看板も吹っ飛ぶ突風が吹いていましたが「早く痛みを取りたいから」と午前の早い時間に来院しました。

痛むのは左の鎖骨の上の部分で普通なら柔らかい場所が硬く腫れあがっています。この2週間、ズキズキと痛み続けどうにも我慢が出来なくなったそうです。

1年前の来院時とずいぶん雰囲気が違うので「ひょっとしたら太りましたか?」と聞くと「そうなんです。3キロ太ったんです」と答えられました。早朝から夜9時過ぎまで、めいっぱい働き、それに比例して食欲も亢進して太ったそうです。

この患者を診察し治療を進めているうちに「胃経」という経絡が強くなりすぎているのが解りました。この経絡は顔面の鼻の脇から出て首、乳、胃、太股、足のスネ、足の第2指に流れています。中国の医学古書には胃経が強くなりすぎると食欲が異常に亢進したり気分がハイになったりすると言われています。患者が痛みを訴える鎖骨の上はちょうど胃経が通る道に当たっていたのです。本治法という全身調整の治療の最後に左の足のスネの胃経の反応のある部分に鍼をしますと鎖骨の上の腫れが引き痛みが和らいできました。胃経が強くなりすぎて食欲を亢進させ、胃経の流れる道に異常をきたしたのだと考えられます。原因は心身のバランスを崩す仕事や生活にあったようです。これと似た例が他にもあります。

この患者も30代の女性で主訴は「浮腫みと冷え」でした。それに加えて「食べても食べても食べられる」異常食欲をなんとかしたいという事でした。やはり連日長時間の仕事をしており仕事のプレッシャーによるストレスが正常な食欲のコントロールが出来ない状態にしているようで、多忙な時には食欲に加えて気分がハイになり神経が休まらないという事でした。

これまでの職場を退職し、次の職場に就業するまでの期間を使って集中して治療しました。

この患者も先に紹介した患者と同様に強すぎる胃経を鍼で処理したところ異常食欲がピタリと止まりました。

異常食欲の治療はストレスとなる原因を遠ざけながらする事で良い結果が出るのだと思いますが、これが一番難しい事ですね。

メタボリックシンドロームが問題となっています。企業によってはメタボ解消度を点数でつけているとか。食欲を抑える事も仕事の一部になってしまったらストレスからドカ喰いに走るのではないかと心配です。

                             2008年4月記    ページ上へ戻る

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忘れられない治療 99歳になるヤスさん

2年前に「寝たきりからの回復」でご紹介したヤスさんは今年の4月で99歳を迎えようとしています。今でも毎週一度の鍼治療を続けています。

右の写真は今年3月に自宅で写したものです。最近では歩いて外出する機会は減りましたがご覧の通りお元気です。毎日の新聞にもしっかり目を通し自分の意見を持っています。まさに100歳は人生の折り返し地点です。

                     2008年4月記  ページ上へ戻る   


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忘れられない治療 その6 遠方からの患者
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今月の初め、若いカップルが来院しました。二人ともお元気そうなので思わず「どちらが患者さんですか?」と尋ねました。患者さんは男性の方で23歳。スポーツのコーチのお仕事をしているそうです。お二人はご夫婦で奥様が付き添いという事でした。「大阪から来た」と言います。「当院の治療を受けるために新幹線に乗って来られたのか!」とびっくりしましたがそうではなく、知り合いの結婚式に出席するために前日から東京に来ているのだそうです。東京で是非鍼治療を受けてみよう、と事前にネットで検索して来院されたそうです。東京にある多くの鍼灸院のホームページの中から「ここで一番良い治療が受けられそうだ」と信頼して選んで下さったと内心感激いたしました。その期待に精一杯こたえるべく治療いたしました。

この患者さんはホルモン系の大きな病気を患った事があるそうで、肩から背中の凝り、腰の痛みに苦しんでおりました。加えて食べるとムカムカする事や頭痛もあるとの事でした。これまでも地元の鍼灸院に通っておられたそうで真剣に治療に取り組んでおられるようでした。

診察しますと確かに肩から腰に至るまで硬く突っ張っております。そして腹のお臍を中心とした部分が硬く盛り上がっています。腹診や脈診をして肝虚脾実という証を立てました。東洋医学で言う肝は「血」や「筋」を支配する臓器ですが、これが弱っていたのですね。また脾は消化吸収を担当する臓器ですがここに邪気が入り正常な消化吸収を阻害していたのですね。

元気のない肝経を補い脾経から邪気を取り去る鍼をしました。すると肩から腰にかけての突っ張りがとれ、お腹の硬い部分がとれてフンワリお腹になりました。あとは軽く全身を流すような鍼と熱くないお灸を背中にして終わりでした。

終わった後「体がとても楽になった」と喜んでくれたと同時に「こんなに痛くない鍼があったとは!」とびっくりしていました。鍼が皮膚に触れた事もわからないぐらいだったそうです。遠くから来院の患者さんに満足のいく治療が出来た事は私にとっても大きな喜びでした。

これからも同じ経絡治療を継続する事をお勧めし「近くに良い治療院があったら紹介します」とメールアドレスを控えさせていただきました。健康な体を取り戻されるる日が一日も早くくる事を願ってやみません。

                         2008年3月記           ページ上へ戻る

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忘れられない治療 その5 40代男性のギックリ腰

Aさんがギックリ腰で初めて来院したのは一昨年(2005年)の12月でした。自分で歩く事が出来ず、小柄な奥様に抱えられるようにしてやっとの思いで来院された時の事は今でも覚えています。

Aさんは20代のころからの腰痛に悩まされ続け、これまで何回もギックリ腰に苦しんできたそうです。初診時のAさんの腰痛は、働きすぎと胃腸への負担が引き起こしたものでした。肝虚脾実という証を立て治療しました。

初診時の治療で最悪の状態からは脱しましたが、完全に症状が治まったのは翌年の1月になってからでした。Aさんは会社の経営者の立場上、「またギックリ腰を再発して仕事を休むわけにはいかない」と症状が治まった後も予防のため治療を継続されました。

初めは週1回の治療にしましたが体調も良くなったのでこの5月からは3週に1回の治療間隔にしています。定期的に治療するようになってからは20代から悩まされた腰痛はまだ一度も発症した事はありません。今では煙草を止める、など生活習慣の改善も図り、仕事の合間にゴルフを楽しんでいます

継続して定期的に治療する事で「腰痛もち」の体質そのものが変りつつあります。発症してから治すのではなく「未病を治す」のが経絡治療を真に有効にするのです。働き盛りの中年の方こそ「未病を治す」を実践していただきたい、とあらためて実感しています。

                           2007年6月記         ページ上へ戻る

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忘れられない治療 その4 小児の扁桃腺炎治療 風邪のひかない子供になった

孫の8才になる男の子が扁桃腺を腫らして月に何度も学校を休むが、はり治療でなんとかならないか」と患者さんから相談を受けました。

「小児には転がしたり、ツボに接近させるだけで効くはりがあるので、痛くなく体質を改善する事が出来ます」とお話しましたが、なかなか来院の運びにはなりませんでした。お孫さんがはりに抵抗しているようでした。

ところが医者から扁桃腺切除の手術の話が出るとお孫さんも「切らないで治せるのなら」と考えたらしく今年の2月16日におばあさんに連れられて来院しました。

この子供の患者の証は「肺虚」と言って風邪をひきやすく咽喉や鼻に症状が起き易い子供に多い証でした。初めての日は、緊張していましたが、痛くなく、あっと言う間に終わったので2回目からは安心して積極的に治療を受けに来てくれました。

2月から4月まで週に一回ずつかかさず治療しました。この時期は季節の変わり目でもあり、全く扁桃腺を腫らさないとは考えていなかったのですが、驚く事に治療を始めてから4月まで一回も扁桃腺を腫らさず、学校も休まずに済みました。子供の治癒力の大きさと本人が「これで治そう」という気持ちがびっくりする程の効果に繋がったのだと考えられます。

この4月14日を機に週に一回の治療間隔を2週に一回に切り替えました。二ヵ月の間でも子供の成長には目を見張るものがあります。背丈が伸びるだけでなく顔つきや表情もちょっぴり大人びた感があり「ちゃん」づけでなく「君」で呼んだ方がいいかな、と思えるようになった記念のスナップ写真です。

                             2007年4月記 

                                         ページ上へ戻る

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忘れられない治療 その3 「寝たきり」からの回復

年4月14日に97歳になった貝原ヤスさんは、まるで年齢を感じさせない元気さで近所で評判の方です。 3年前の6月に腰痛を起こしてから鍼灸治療を始めました。激しい症状も緩和し、普通の日常生活に支障がなくなったと思ったのですが、2年前の6月、激しい腰の痛みと同時に筋肉に力が入らなくなり、ほとんど寝たきりに近い状況になりました。普通なら「もう歳だから」と諦めるところですがヤスさんはそうではありませんでした。その頃飲み始めた高脂血症の薬に横紋筋融解症という筋肉が冒される副作用があることを知り、薬を止めました。そして西洋医学に頼ることなく熱心に鍼灸治療を継続されました。2年前の夏は多い週は週に3回の往診治療をしました。ヤスさんご自身もふとんの上で寝たまま足腰を動かし、寝たきりによる機能の低下を防ぐ努力をされていました。            

して、この年の暮れには1日、1000歩の歩行が可能になるまでに回復されたのです。

在も週に一度の鍼灸治療を継続しています。食欲も睡眠も正常で、肌の艶の良さにいつも感心させられています。食事作りや掃除は同居の娘さんがやっていますが、身の回りの事は基本的に御自分でこなしています。晴れの日には外に散歩、雨天の日も部屋の中でウォーキングを欠かしません。耳がいくらか遠くなっていますが頭は大変はっきりしていて日々の新聞報道にもきちんと眼をとおしておられます。

100歳になってから、ホームページで紹介させていただくつもりでしたが、他の高齢者への励みになればとこのたび掲載を許可していただきました。どんなに高齢になっても「歳だから」と諦めないで、見事に機能を回復されたヤスさんの姿が多くの方々の希望になればと思います。               

下の写真は娘さんと散歩をするヤスさんです。       2006年4月記

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 忘れられない治療 その2 逆子治療 

 2005年の6月24日、妊娠29週目の妊婦さんが逆子を治してもらいたいと2歳になる可愛いお嬢さんと一緒に来院しました。「逆子には鍼灸が効く」ということをインターネットで読んで近くの鍼灸院を探して来たということでした。一緒に来られた第一子のお嬢さんを出産された時に産声がなくて心配したので、今度の出産の時には元気な産声が聞きたいということでした。腹を触ると円形の胎児の頭であろう硬いものが上にあり、本来産道に向いて頭が降りていなければならない恥骨のあたりに足のようなやわらかいものがありました。妊娠6ヶ月くらいからなら逆子が治るのは充分可能だと思いました。肺虚と証をたて本治法をしてから左右の足くるぶし内側のやや上にある三陰交というツボに各10壮ずつお灸をしました。これは安産のためのお灸です。次に左右の足の小指の爪の生え際にある至陰というツボに各10壮ずつお灸をしました。これは胎児の位置を正常にするためのお灸です。お灸は皮膚に火が当たる直前に取るので熱くなく適度な温感が妊婦さんの体に入っていきます。治療中にも胎児は動きだしました。治療が終わると「足がポカポカして気持が良い」とのことでした。足が温かくなるということは全身の血流が活発になり胎児も気持ちよくなって動きだしたのでしょう。来院できない日は自宅でお灸ができるよう、ツボに印をつけ「カマヤミニ」を持って行ってもらいました。その夜も胎児はさかんに動いたそうです。

  この妊婦さんの治療の日にはお嬢さんの「こんにちは!」という弾んだ声が玄関口に聞こえ、こちらの気持も思わず弾んでしまいました。その後、二日続けて同じ治療をして初診から3日目の6月26日に早くも胎児は正常位に戻りましたが、それから3日後の6月29日にまた逆子に戻ってしまいました。病院のエコーで診ると臍帯が首にまきついているということでした。逆子が正常位に戻らないとしたら逆子でいた方が良い事情があるので、臍帯が首にまきついている赤ちゃんの場合「正常に戻りたくないのか」とも考えましたが根気良く治療を継続しました。7月14日に正常位になり、逆子、正常位、逆子、と行ったり来たりを繰り返しました。7月23日にエコーで診たところ正常位になっており、なんと臍帯が首から取れていたそうです。

  児はお腹の中で動きながら臍帯を自分で解いたのだと思います。自分が一番産まれやすくなる条件を自分で作ったのです。鍼とお灸が、それができるー体が伸び伸びと動けるー胎内の環境をつくり、胎児に活力を与えたのではないかと考えます。この治療も忘れられない治療のひとつです。

 婦さんは北海道の実家のもとで出産することになりました。東洋はり医学会の北海道の仲間に連絡をとり、これまでの治療経過を克明に送り、出産直前までその治療院に通っていただきました。

 月21日に無事出産したとお電話がありました。病院に行ってから4時間後の出産だそうです。赤ちゃんは元気に産声をあげていたとのことでほっとしました。

年、2006年1月9日、ご家族4人で来院されました。お母さんと新生児の男の赤ちゃんと、お姉ちゃんになったお嬢さんとお父さんです。その時に撮った写真が下の写真です。赤ちゃんは、初めて会う私に対し、むずがりもせずおとなしくしていました。お母さんは「先生とは初めて会ったのにお腹の中で何回も声を聞いていたので知っている人に会ったと思っているのですよ。ふつうは初めての人にはむずがる子なんですよ。」と言われました。

んな子供に育つのか、大人になった時にどんな世の中になっているのか、と思うところです。

               2006年1月記      ページ上へ戻る

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 忘れられない治療 その1 ネフローゼによるむくみ 

 にとって忘れられない治療はネフローゼを患った高齢の男性患者のことです。
そのころ鍼灸の資格を取得したばかりだった私は出張専門で往診しておりました。

 る女性患者を往診した時に「今、病院から一時退院しているおじいさんがいるので治療してもらえないか」と依頼されました。
 おじいさんは腎機能が低下し足全体がまるで象のように硬くむくみ、足を曲げて座ることもできない状態でした。高齢なせいもあり入院中は食事療法中心で治療してきましたが、それには限界があるということで強い薬物を使った療法に切り替るのでその前に一時帰宅の許可が出たそうなのです。
薬物療法に切り替えたら当分帰宅できないという判断だったのでしょう。おじいさんは鍼治療には疑心暗鬼であったようですが娘からも孫からも勧められて「どんなもんか」という感じで治療を受けることになりました。

 の患者には腎虚脾虚という証を立てて治療したわけですが、初めの本治法の二鍼、三鍼で驚くことに足の硬いむくみがどんどん柔らかくなり、治療が終った時には「座れるぞ。これはすごい。」と大喜びをしているのです。経絡治療をやっていてこのむくみの解消というのは本当にすごい、と思っています。治療がうまくいくと鍼をした直後に手で触ると硬さが緩んだ、と思える瞬間があります。

 西洋医学では痛みに対しては即効的な薬物があるようですが、むくみに対してはないと思います。痛みだけなら神経を薬物でブロックすることが可能ですがむくみは全身の血の流れやリンパの流れや代謝機能が良くならなければ解消しません。それができる経絡治療こそ本物だとの思いを日々の臨床の中で強くしています。

 療の後、男性患者はめずらしく元気で書類の整理をしておられたそうです。しかし病院の一時帰宅の許可はその日が最後であったので翌日は病院に戻らなければなりません。おじいさんは病院に戻る日の朝まで、「病院を断って、鍼治療にかけようか」と迷っていたと後で家族の方が語っていました。

結局、おじいさんは病院に戻り、その後数箇月で他界しました。

 に人生の最後の希望を託そうと考えてくれたことや、自分の家で元気に書類整理をする時間を経絡治療が作ったことを考えると胸に迫るものがあります。

 これは私にとって本当に忘れることのできない治療です。

                 2005年7月記     ページ上へ戻る

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