ハヤブサ

(夏の巻)

幕府時代のハヤブサ(網掛)では、全てとや入り(換羽)をさせず、廃棄処分にする。
但し、まれにはとや入りさせていたので、その餌飼い方法は後で、記す
廃棄の理由は、次の二つが考えられる。

一、 ハヤブサ(網掛)は、前年秋鷹打(捕獲)され、10月のがん御成そして、
    年が明けて春の上げ鷹(あげたか)での、雉猟で終わるが、(その間の猟は
    違う機に記す) 若ハヤブサを、とや入りさせると初めての夏の、換羽は
    不定期で、中々うまく換わらず、12月始めや、遅いものでは、1月に
    掛かる事がある。これでは、今年の秋のがん御成には、使用できない事。

一、 ハヤブサ(網掛け)を、日本古来の訓練法で、やると野物(きじ、かも)を
    上空より当て落とす時、ずるいハヤブサは、きじの後ろ、2,3M位を追い
    やぶの中に、落ちる迄ひと当てもしない
    これ等を昔は、しらける、あるいは、ぼけたと称して、ハヤブサが
    以後の実猟に使えなくなったと、判断された。

    以上の理由で、とやを飼わずして毎秋若ハヤブサを、講入するのです。
 
    イギリス、欧米諸国での訓練法や実猟によって、何年間も使用できる事が
    示されているので、日本古式の訓練法や実猟の中で、謎が隠されている。

森 覚之蒸の著した(「鷹術四季書」宮内庁書陵部蔵)の中で、ハヤブサの
とや入り(換羽)をさせる章があるので、記載しておく

ハヤブサとや入り前詰める、肉(しし)は、六、七分に落し其の後、とや入りさせる
当分は、真鳩(キジバト)一羽を、両餌(もろえ、朝、夕の餌やり)にして、
追々餌を、増す。 餌は不足せざる様に、始終、両餌にする
鷹部屋内に砂をしき、架(ほこ)に塩こも(塩樽に、包んであるワラで作った物)にて
包む、其の上を縄にて巻く。すき餌と名付けてカラスを餌飼いする
ハト五羽に対してカラス一羽の割合にて、作り餌にまぜる。      以上、
次回は、秋のハヤブサ捕獲の事から、記す。

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