終焉の画家に見る眼前の世界
目に見える世界は彩られた偽り

もしくは人類以外の生命の見る文明はこの様に見えている
傲慢な文明の支配者が作り上げた王国は美しい世界か
もうどうする事も出来ない不合理に汚された庭園に
花を植えるには浄化しなければならない
知らず知らずに崩壊しているのは私達
審判は下されている
私が感じる世界は終焉の絵画と同じ感じがする
数時間おきに理不尽に殺害される人間
道路に散らばる動物の亡骸
それは日常で
その前で笑顔でいれる。
文明の恩恵を受け文明を否定して
発狂した悲鳴であふれている

今目の前にある世界は本当の世界なのか。
終焉の画家、滅びの画家と言われているポーランドの画家ズジスワフ・ベクシンスキー
彼の描く幻想的な絵画には人間が壊れる、町や世界の崩落が多い。
常人には想像もできない美しくも儚い世界は人類への洗礼の様な感じがする
精神的に負担のあったベクシンスキーのインスピレーションなのか
あるいは彼自身が見た世界なのか。彼の眼に映る世界は事実かもしれない
我々の見ている世界が肯定的に彩られた幻想だったら

ズジスワフ・ベクシンスキー
ポーランド出身
全ての作品にタイトルは無い
ナチスのポーランド侵攻を経験
98年に妻、99年に息子を鬱病による
自殺で亡くし
05年に自身も友人の親族らにメッタ刺しにされ死亡
彼の作品の中には3度見たら死ぬと言われる曰くつきもある
作品の多くは人類の変容、死、損壊、崩壊、
終焉、予感、絶望が描かれている

人類は英知であり不要の産物だ
私もあなたも罪人
狂った人間が作り上げた虚構の世界の真実は
描かれた終焉そのものかもしれない
終焉に向かうのではなく
既にその中に存在している
今ある平和な世界は光の産みだした世界
蜃気楼が消えた時
足下にあるのは無数の骸
血に浮かんでいる墓標に向かい聖者は行進するのか
空中に浮かぶ城は過去か未来か
漆黒の深い海に恐怖は感じないのか
荒野の十字架には誰
その美しい顔は鏡か仮面か
その椅子に座る権利は
地中の血管を切り裂けば何が溢れる

感じるものと感じない者の差は大きい
感じるものは小さな灯火の中を歩き
感じない者は灰色の空の下、骸を踏み砕きながら
腐っていく

何をする、何をしなければならない、どうすればよい
ではなく
感じた者と感じない者
その歩く道が変わってゆく